2005年7月25日第300号
幸福ニュース

【 れんげ農苑便り(1)】

 今日、環境問題は大きな地球的テーマとなっています。今回より、食についての大切さと人間の幸福について考えてみる為に、有機循環型農業を行っている「れんげ農苑」の農苑長で国際人の平野喜幸先生のレポートを、時々お届けしたいと思います。何卒よろしくお願い申し上げます。

【 れんげ農苑便り(1)】

『れんげ農苑の目的』

 れんげ農苑は単に化学肥料や農薬を使わない野菜を生産するだけの農場ではありません。人間と自然の間にある循環の関係を理解し、自然を畏れ敬い自然に感謝する古来日本の農民が持っていた心を育み、ひいては人間と人間の間にもお互いに与え合うことによって拠って立つ、新しい社会を創造するリーダーを育成することを目的としています。

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 はじめまして、皆さんこんにちは。れんげ農苑の平野です。

 蓮華院の新しい部門として、「れんげ国際ボランティア会」の中に昨年8月より『れんげ農苑』がスタートしました。昨年はもっぱら開墾、石垣を積んでの段々畑つくり、堆肥作りなど準備ばかりでしたが、今年4月より少しずつ作物の種を撒いたり、苗を植えたりしました。

 6月20日には蓮華院の職員が全員参加して田植えを行いました。また、今月からは少しばかりですが完全無農薬野菜を奥の院で販売しております。まだまだ自立への道は遠く険しいと思いますが、もうすぐ一年になるのを機に、これから毎週一回農苑便りを配信することに致しました。

 内容的にはれんげ農苑が推進している循環型農業の技術や理念の紹介、折々の畑の様子、農苑の将来の目標などについて書かせて頂きたいと思っております。また、私が長年ミャンマーで開発の仕事に携わった経験から、開発についてやミャンマーの文化などについても併せてご紹介したいと考えております。

私が平野です。よろしく!

「最近一番嬉しかったこと!」

 7月14日売れ残った野菜を引き取りに奥の院に行ったところ、信者のOさんと出会う。彼女曰く「先日あなたが作ったかぼちゃを頂きましたが、こんなに瑞々しくて美味しいかぼちゃは初めてでした。今日はそのかぼちゃを買いに来たのに無くて残念です。」と言われました。

 その日残った野菜の半分くらいを買って頂き、その後農苑に案内し、目的のかぼちゃもご購入頂きました。どうやって野菜を作っているかなども細かに質問され、農薬や化学肥料の代わりに土着菌堆肥、ぼかし肥、竹酢液、天恵緑汁などを使って栽培している説明をしましたところ、満足されて帰宅されました。

 まだ農苑の野菜を食べたことの無いあなた、是非ご賞味あれ!まだ未定ですが、将来は通信販売も考えています。

【坂村真民詩集】

《 梨と母 》

ことしは梨との縁が深かった

弱くて乳をあまり飲まなかったわたしに

母は梨をしぼって

乳の代りとしたのであろうか

まっ白い梨の果肉が

母の乳房のように見え

幼い心にかえっていった

【仏語集】

 種はまかれてから、農夫の辛苦と、季節の変化を受けて芽が生じ、ようやく最後に実を結ぶ。さとりを得るのもそのように、戒と心の統一と智慧の三学を修めているうちに次第に煩悩が滅び、執着が離れ、ようやくさとりの時が来るのである。(パーリ、増支部)

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