内観とはどんなものなのだろうと姉から勧められた本の中に 「内観」と見つけて拝読しましたが、解った様な、解らない様な 不思議な感覚でした。ただ興味がありました。
5月に体調不良と忙しさから解放されたくて退職したばかりで したから、丁度、私って悩みのどつぼにはまるのは毎回何処だろ うと考え始めたばかりでしたし、暇があると考え込んで人間不信 になっていく一方でしたので、決意し内観を申し込みました。
蓮華院にきましてからは、自分の為にと思い来ましたのに、訳 が解らず、どうしてここに私が居るのだろうと3日目まで思って いました。内観しても、どうしてもお世話になったことが浮かば ない。あったとしても一つ二つで、面接で話していても、実際に はしていただきながら、気持ちは全然して頂いた事と感じており ませんでした。
一週間考えても集中できる時間はわずかで、頭は痛いし、腰は 痛いし、逃げ出したい気持ちで一杯でした。
ましては、父や母に対してはとっくの昔から感謝している解っ ていると思っていましたので、なかなか深くなりませんでした。
主人に対してもそうです。感謝していましたので、それ以上の 事がなかなか具体的に出てきませんでした。そればかりか反対に、 結婚後今までの後半の期間は優しくしてくれたけれど、それ以前 は何も手伝ってくれず、私が一人で子育て、家の事、両親の事を 頑張っていたんだと思い出しました。
舅のことに対しては、思い出したくなく拒否反応でしたが、何 の為にここに来たのか、義母へ「私はこのままでいくと、義父の 介護をする時、オムツを換えながらお尻をパンときっと叩きそう です。」と言ってきた言葉が、私の背中を押してくれました。
やはり肝心な問題の起こった年を回想するのはとても辛いもの で、その時の表情、声の調子、様子などを鮮明に思い出してしま い、辛かった記憶を呼び起こされ、とても苦しいものでした。
内容も、お世話になった事はあるのに、好きで舅がしていたと いう風な気持ちが、面接で聞いて頂いている間もありました。
また、舅に対する内観が終わっても、いつまでも憤りを感じ、 涙が止まらず、舅のせいでという気持ちは、一度目の内観では、 これでは逆効果なのではと感じたほどでした。
私が素直ではないのか、やり方が違うのか、やはり舅には無理 なのかと自問自答でした。しかし、面接の時、「過去は変えられ ない。辛かった事はここに置いておいきなさい。」と言って頂き、 心が楽になり、それ以後は落ち着くことができました。
姑に対しても感謝はしていたのですが、姑がきちんと舅に話し てくれないから、何時まで立っても変わらないんだとう気持ちは、 面接の時、して頂いた事を言葉で発していても無くなりませんで した。
子供に対しては、素直に自分を言えることが出来ました。小さ い頃の表情、しぐさを思い出し、とても愛しく思いました。また、 自分が舅との争いに巻き込んでしまっていたこと、その時の自分 が平常心でなかったことで、子供への影響を与えてしまった事に 初めて気付き、はっとし、大変申し訳なく思いました。
二回目の舅にたいしての内観は、やはり苦しいものでした。許 す気持ちにはなりませんでしたが、心は少し落ち着き、そうなっ たものは仕方がない、どんなに私が嫌でも、子供たちを可愛がっ て下さった数の多いことは事実であると受け止める事が出来まし た。
姑に対しても、色々な態度が気に入らなかった私ですが、自分 でそうして下さいとお願いした結果がそうであった事や、その時、 一言いっておけば、どうって事はなかっただろうにと思う事ばか りでした。また、姑は最初の頃の優しい姑と全然変わることなく 言葉かけを私にしてくれていた事に気が付きました。
主人に対しても、優しいだけで頼りないなど一回目は思いまし たが、二度めは、私の好きなように彼はさせてくれていた事に気 が付き、本当にありがたいと思いました。
職場の同僚に対しても、二度めは嫌いだ嫌いだと思っていた方 に、自分自身も嫌だと思う事をしていました。また、あの方がお られたおかげで勉強するいい機会に実際なっていたことに気が付 きました。
本当に内観らしい内観は、最後の二日間ぐらいだったのではな いでしょうか。今はとてもほっとしています。
自分という者が何と頑固でこだわる人だったのか、それで皆に 迷惑をかけたことか、本当に申し訳のないことです。
これからは肩の力を抜いて、正直に自分を皆に見せていこうと 思います。また、何かあったら「ありがおうございます」をおま じないに、自分の人生を楽しみたいと思っております。ご指導頂 きました先生方に深く感謝致します。
人は互いに敬愛し、施しあわなければならないのに、わずかな 利害のために、互いに憎み争うことだけをしている。しかも、争 う気持ちがほんのわずかでも、時の経過に従って、ますます大き く激しくなり、大きな恨みになることを知らない。(無量寿経)
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