1998年9月10日第42号
幸福ニュース

【 生きがいのマネジメント 】
(Valuing Yourself)

飯田史彦先生の書かれた、本当の自分に出会うための、発見と創造の旅への案内書です。

1.人間とは、価値観を持ち、価値を扱う生き物である。

2.人間存在の中心には何があるか。人間存在にとって、基本的なものは何か。それは、われわれ一人ひとりが、価値をもった人間であるということである。

測定を超えた価値と、比較を超えた価値を持つ人間であるということである。われわれ一人ひとりの神髄は善であり、内に自尊の感情を秘めているということである。

3.あなたは、ただあなたであるというだけで、愛され、大切にされるべき、価値ある存在なのです。
(You deserve love and respect just because you are YOU.)

あなたが今、生後三ヶ月の赤ちゃんを育てているとしましょう。赤ちゃんにミルクをあげる時、あなたは{私を喜ばせてくれたり、座っておしゃべりしてくれたりしないと、飲ませてあげないわよ}などとは言わないはずです。あなたはただ、その赤ちゃんはミルクを飲ませてあげるに価する存在だから、飲ませてあげるのだ。

赤ちゃんは、愛され、大切にされる価値があるのだ。それと同じように、あなた自身も人間として、宇宙の一員として、愛され、大切にされる価値を持っています。あなたは、生まれた時と同じように、今も価値ある存在なのです。

4.あらゆるものは価値を持っているが、その価値に気付かないかぎり、それは本来の価値を発揮しない。ただ、気付きさえすれば良いのです。 まず、自分自身が持つ価値を見直して好きになること、自分自身に恋して、自分の人生に恋することこそが、{自分が本来持つ存在価値}をもたらしてくれるのです。

5.信じるというのは、ただ、それが真実だと信じるという事ではなく、ずっとそれ以上のことである。即ち、信じることを真実にする力を持っているのである。

6.{こんなふうに生きたい}という、自分自身を有意義で有能な存在だと認めさせるような理想を描くことが、{生きがい}のある人生を送る出発点なのです。

7.{どのような仕事でも一生懸命やる人間になろう}{もっと車を大切にしながら乗ろう}{お客様をもっと大切にしよう}{いつでもどこでも、そこで学べる最大限のことを学ぼう}といった、大きな人物像を思い描くことが大切です。

このような目的地を思い描けば、思い描いた時点ですでに一歩前進したことになります。また、物理的・数量的な目標ではないので、容易に{減る}こともなく、{勝つか負けるか}という目標でもないため、{負ける恐怖}{失う恐怖}も生じません。

言い換えれば、物欲や名誉欲ではなく、心理学で{自己実現}と呼ばれる{自分のすべての能力や価値を発揮したい}という欲求をもつことが大切なのです。そのうえで、自己実現のための選択肢のひとつとして{このような職業・地位に就きたい}などの具体的な{経由地}を定めるのならばかまいません。

8.理想に関する誤った思い込みのひとつは、{一度決心したら変えてはならない}ということです。むしろ、理想を実現するためには、何度も何度も繰り返し検討する必要があり、自分自身の存在と融合しているかどうかを見直すべきなのです。

9.価値観は、人間が自分を守り、自分を高めていくために与えられた、最高の贈り物と言えるでしょう。

私たちは、私達自身の存在価値を再確認し、自分が生きていくうえで最適な価値観を発見したり、どのような事象や人物に対しても価値を見出すことができるような思考方法を身につけることによって、生きている喜び、つまり生きがい感を充分に味わうことができます。そして、人間はさまざまな方法で価値をコントロールできるのです。

10.親は子供達に{自分達が家族として共に生活していることの価値}を明に暗に教え、{お前たちが自分達の子供として生まれてきてくれたことを、いかに感謝しているか}という気持ちをきちんと伝えておけば、子供は親を悲しませようなどとは思わないはずです。

11.夫婦関係においても、お互いに{あなたの価値を認め、あなたを必要とし、あなたの存在に感謝している}という気持ちが通い合っていれば、不和など生じるはずがありません。

12.{価値観の転換によるブレイクスルー(現状突破)}
物事のとらえ方を変えることによって、まったく別世界の住人に生まれ変わることができ、状況が好転したり、人生が楽しくなります。
一例:{子供がわざわざ無数のカップルの中から自分達を選んで生まれてきてくれたのではないか}という逆転の発想に気付く。

13.寛大な心の持ち主には幸せな人が多く、健康で長生きしやすい。奉仕からは、健康をはるかに超えたものが得られる。自己中心的に生きることは、孤立と孤独を拡大してしまう危険性がたかい。奉仕の心は、ストレスを克服する素質のひとつである。

14.{奉仕の心}はリーダーにとって必要不可欠な条件である。喜んで先頭に立ち、進むべき道を示し、変わった者にたいしても心を開いて受け入れ、使命の直感を受けたら、それに従うことが、リーダーの条件だからです。リーダーが奉仕の心を持っていることを知れば、周囲の人々を引き寄せ、感銘を与えるでしょう。

15.私たちにできる、もっとも簡単で、もっとも効果がある奉仕のひとつは、仕事や職場を通じて出会う人々の悩みや心配を、ただ聞いて、共感してあげることです。。

{そんなことで悩むのはやめなさいよ}と相手の感情を否定するのではなく、{そうよね、私にも、あなたの気持ちはよくわかるわ}と共感し、{あなたはひとりではない。私が理解し、あなたと一緒にいる}ということを伝えるだけで、人はずいぶん救われるものです。

16.つらくて苦しくてたまらない時、一緒にその苦しみを見つめてくれる人、どんなときでも見放さずに一緒にいてくれる人がいる、そのことだけでも救われるのです。

17。使命感に満たされている人々は、高圧的な態度をとることはありません。彼等は、押すことではなく引くことによって、命令することではなく元気づけることによって、操作することではなく進歩を誉めることによって、他人を否定することではなく他人の個性をのばすことによって、人々を導いています。

18.人の上に立つ者は、相手の悪の部分を引き出してしまわないように気をつけなさい。たとえ言葉だけであっても、他者を脅迫したり、侮辱したりしないことである。どんな状況であれ、従業員を卑しめたり、けなしたり、恥をかかせたりすべきではない。そうすれば、よりいっそう否定的な行動をするようになる。

19.{・・・ねばならない}{・・・べきだ}{・・・して当然}という思い込みは、人を燃えつき症候群へと追い込んでしまう危険性がある。

20.人間の成長には二つあり、一つはパーソナルな(個人の)社会的・適応的成長であり、{人並みに}{他人以上に}といった競争による成長である。もう一つは、トランスパーソナルな(個を超えてつながった)成長であり、真に大切なもの、意味、感動など{真・善・美・聖}と呼ばれる究極価値に通じる成長である。

日本のサラリーマンたちが、生きがい・働き甲斐を見失っている原因の一つとして、人間が本来心の奥で求めているトランスパーソナルな成長が阻害され、忘れられていることが考えられる。

21.{いろいろ部分的な問題はあっても、全体として調和している}のがホリスティック(包括的・統合的)な生き方である。また、問題が存在するからこそ、私達はその問題を通じて学び、成長することができるのです。

22.私たちは、自分の仕事に対しても、{自分の本来の価値を発揮しよう}と決心することができます。そう決心した時の私たちは、仕事をつうじて、真に{生き生きする}ことができるのです。

23.会社の経営や、その他のあらゆる人間関係をとらえようとした場合に、最後に行き着く所(そして、最初に踏まえておくべき所)は、やはり、{人間という存在そのものの価値の発見}であり、その発現としての{愛}ではないでしょうか。

24.価値観論の観点からみた経営者や管理職の役割とは、社員や部下の職務価値と対人価値を、できるだけ大きくすることである。

25.経営とは、目的達成のために一定の資源を使って最良の結果を出す事です。そしてそのためには、経営資源(ヒトやモノなど)の価値を最大限に生かす事が重要になります。

言い換えれば、ヒトやモノを輝かす事、つまり、それぞれが持つ価値(いのち)を輝かすことが、経営の本質といっていいでしょう。{いのち}を輝かす鍵は、{愛}と{慈しみ}です。{いのち}に満ちあふれた組織ほど、元気で強い組織はありません。

26.組織の中では、地位が高い人の価値観が、部下や業績、職場の雰囲気や人間関係に大きな影響をおよぼします。世の中に価値のない仕事などありません。そう確信することが、すべての始まりです。

27.{すべての仕事には価値がある}と信じることにより、そう信じている人にとって、実際にすべての仕事が価値を持ち始めるのです。

28.職場の新しいメンバーへの教育で大切な事は、{この職場で働くことの価値}{その仕事を担当することの価値}を理解させ、{あなたがここに存在して、あなたがこの仕事をおこなってくれることにより、周囲の人々がどれほど助かり、感謝するのか}という事実を心から伝えることなのです。

29.立腹した時の{ジェファーソン効果}
アメリカの第三代大統領トーマス・ジェファーソンの使用した方法で、{怒りを感じた時は、口を開く前に、一から十まで数える。ひどい怒りを感じた時は百まで数える。}そして、{一息ついて、何も言わない}のです。{黙り込むこと}の効果は絶大です。

30.あいての感情を100パーセント受け入れる。
相手の感情を無視しないで、100パーセント受け入れて、共鳴してあげることこそが、結局は自分の思い通りの結果をもたらします。

いったん相手の気持ちになって、{そうだね。君の気持ちはよくわかるよ。私が君だったとしても、おそらく腹が立っただろう。}などと応え、相手の心の武装を解除してあげて、はじめて、その先へ進むことができるのです。誠実に心の底から言う必要があります。

31.{YES, BUT}で会話を進める。
どのような会話をする時にも、相手が何か言ったら、必ず{うん}{そうですね}{へえ、そうなの}などと、相手を認め、その後で、{だけど、君とはちょっと違う考えを持つ人もいるかもしれないよ}などとつづけた方がよい。

誰だって、{気持ち良く話しができる人と付き合いたい}と思うからです。こうして、{YES}型の人にはますます友人が増え、{NO}型の人はますます孤独になってしまうというわけです。

32.相手と自分を仲間にする。
{私たち}を主語とする表現方法を使えば、相手と自分との間に横並びの一体関係を作り出すことができ、{共通の利害}{共通の目的}というニュアンスで話を進めることができます。

{わたしたち、どうしたらもっと節約できるかしら}{この問題をどうすればいいか、2人で考えてみようじゃないか。}ともちかければ良いのです。部下から、相談を持ち掛けられたら、{そうか、お前の言う通りだ。俺も若い頃は、お前と同じ事で悩んだものだよ}というふうに、まず、部下と自分を同一化してあげれば、コミニュケーションがスムーズにいきます。

33.人間が人間である以上、過去の深い悲しみを忘れ去ってしまうことはできません。しかし、人間には、たいへんありがたい能力が与えられています。それは、過去をひとまとめにして現在から切り離し、{想い出}にしてしまえるという能力です。過去の悲しみを無理に忘れようとするのはやめて、想い出にしてしまいましょう。

しかも、人間には、それらの{想い出たち}に後から価値を与えて、宝物にしてしまえるという能力も与えられています。どれほど悲しい想い出にも、貴重な価値があります。そのことがあったからこそ、その悲しみを通じて成長できた現在の自分がいるからです。悲しい想い出たちにも感謝をして、それらをきれいな宝箱に入れて、かわいいリボンをかけましょう。

34.それでも人生は続くのだ。{なぜ自分はこんな目に遭わなければならないのか}などと考えるよりも、{自分に残された時間をどうやって過ごすか}ということの方が、はるかに重要なのである。今、この瞬間を生きよ。

35.{許し}は、私たちに、他の人より優れているとか劣っているとか比較する考えを投げ捨て、最終的にはみな平等であり、一緒に学んでいく仲間なのだという考えを受け入れるよう求めてきます。

これは、{自分が傷つけられたのに、相手には後悔の様子が見られない}という場合には、難しい練習問題です。しかし、相手がその過程で何を学び、あるいは何も学ばなかったとしても、許しはまったく私たち自身の問題であって、相手の態度しだいという条件付きのものではありません。

相手の態度にこだわっているかぎり、私たちは犠牲者の立場から抜け出せません。そして犠牲者の役割にしがみついているかぎり、私たちは動きがとれない状態にはまり込んだままであり、自分を癒す道も閉ざされているのです。

36.あるがままに受け入れる。
{この人を愛そう。}と決心することこそ、{自分の力ではどうにもならないことに対するストレス}から自分を解放することができるのです。

たとえ相手が自分を受け入れてくれなくても、自分から受け入れることによって、いつでも相手との距離を縮めることができるためです。人間関係をとく{鍵}が、自分の手中にあるからです。

また、{この人を愛そう}と決心することは、{その人を余計に支配しようとはしないこと}をも意味します。

37.受容は、自己を困難な状況から解放する最も速やかでかつ実際的な方法となるものです。他方、反抗は事態を悪化させるだけでしょう。

反抗から受容へと転換することによって、非常に重要な結果が生じます。すなわち、反抗する態度から認知する態度に転換すれば、人生はトレーニングのための学校へと変わり、学ぶべきものが多くなります。

38.{愛する決心をすると、損得勘定から解放されて、自分が一番楽になる}という法則は職場の人間関係においても、最高の効果を発揮します。{どの職場に配属されても、そこに存在する人々を愛そう}と決心してしまうのです。

{そもそも損得勘定しないのだから、プラスとマイナスの判断さえ必要ない}という状態に自分を置き、人をいちいち評価する必要さえもなくして、すべての人を{あるがままに}受け入れておけば、これほど楽なことはありません。

39.幸福だから笑うのではない。むしろ、笑うから幸福なのだ。

40.楽観主義は誓いを要求する。はじめはどんなに奇妙にみえようと、{幸福になることを誓う}ことにより、あなたの幸福がスタートするのである。

41.{暗闇を呪うより、一本のキャンドルでも火をともそう。}
(It is better to light one candle than curse the darkness!)

いかがでしょうか。すべての人に読んでほしい本だと思います。

【坂村真民詩集】
《幸せの帽子》

すべての人が幸せを求めている
しかし幸せというものは
そうやすやすとやってくるものではない
時には不幸という帽子をかぶって
やってくる
だからみんな逃げてしまうが
実はそれが幸せの
正体だったりするのだ
わたしも小さい時から
不幸の帽子を
いくつもかぶせられたが
今から思えばそれがみんな
ありがたい幸せの帽子であった
それゆえ神仏のなさることを
決して怨んだりしてはならぬ

【仏語集】

人は互いに敬愛し、施しあわなければならないのに、わずかな利害のために、互いに憎み争うことだけをしている。しかも、争う気持ちがほんのわずかでも、時の経過に従ってますます大きく激しくなり、大きな恨みになることを知らない。

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幸福ニュース・バックナンバー
第41号 願いを実現させる

第39号 ご先祖様から拝まれる人

第37号 右脳で生きるコツ

第35号 経営者の教育力

第33号 地球と人間そして真実

第40号 経営者の内観

第38号 不登校(母親の内観)

第36号 幸せ法と青年の内観

第34号 夫

第32号 妻と子供

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