去る11月5日に、韓国ソウルのカトリック大学で日中韓3ヶ
国の内観関係者が集まり、「内観の韓国内での普及促進と自殺防止
への内観療法利用」に関して、発表と討論が行われました。韓国
内観学会の主催で約200人の方々が参加されました。
現在三ヶ国とも、自殺が大きな問題となっており、各国の現状
と対策に関して活発な発表と討論が行われました。
A) 「韓国現状」
自殺増加率が世界一で、韓国内の大問題となっている。
平均一日43人自殺(30分に一人自殺している)
特に、がん患者や低学歴の人の自殺が多い。
交通事故死より、自殺の方が多い。
65才以上の老人の自殺数は、64才以下の4倍で、ここ10年
で3倍増。
自殺サイトが多いのも問題。(仲間を誘って自殺する)
B) 「日本の自殺対策」
現在、年3万人自殺。(イラク戦争での米兵死亡者数の10倍)
支援体制作り(長崎県自殺総合対策5ヵ年計画)
自殺原因:孤立(相談相手がいない)、多重債務等
相談しやすい環境づくり(孤立させない)
(自己開示を支えるネットワーク)
うつ病は、自分や家族のあり方を振り返るチャンス。
C) 「和歌山県での取り組み」
自殺の主原因:健康問題(ガンや精神疾患などとの関連性が高い)
借金問題(サラ金、多重債務)
早期発見・早期予防が重要。
防止・介入・後のケア(Prevention, Intervention, Postvention)
自殺未遂者への継続的支援が必要。
人材養成(医療関係者、行政、民間)、その為の研修会の開催
Safety Netを作る。
心のレスキュー隊
一般への広報活動
以上の活動の結果として、自殺者の減少。
D) 「中国での自殺問題」
年間28万人自殺。200万人自殺未遂。
女:男=3:1
60才以上の自殺が多い。
6割が精神的疾患
自殺率世界一位 10万人あたり22人
原因:(1)病気 (2)ストレス (3)生活苦
経済的損失も大きい。
9月10日は世界的に自殺防止の日。この日にキャンペーンを行う。
E) 「大学生に生きる力を与える為の授業」
韓国若者の死亡原因:1位自殺、2位交通事故。
背景に受験競争と就職難
日本 不登校は10年で倍増。
若者の老化現象。
存在感の希薄さ→精神不安定
現在、世界中がDepression 即ち、うつ病で不景気
内観などで両親とのつながりを実感した時、若者は自立を目指す。
日本は1998年から自殺者数が3万人台。(それまでは2万人台)
1998年は自殺境界年と呼ばれる。経済や生活苦が自殺原因トップになった。
高齢者の万引き理由:孤独24%、生きがい無し8%
高齢者にボランティアとして活動してもらう方法もある。
喪失や不幸は目覚めのチャンスである。
授業で内観を行って非常にいい効果をあげている。
『内観は人に生きる力を与える!』