お寺にいますと、人間の願いは人類始まって以来あまり変わっていないように感じます。人々が強く願うのは、「幸福になりたい。」ということです。では、どうすれば、幸せになれるのでしょうか。仏法に限らず、多くの宗教で言っていることは、「人助け」をしなさいということです。
一番簡単な人助けは、にこにこすることです。にこにこしながら、明るい声で、「おはようございます。」と、朝の挨拶を交し合うところから、家庭の極楽浄土が始まります。それを、隣近所へ職場へ地域へ広げていきましょうということです。これを布施(ふせ)の中の一つで、和顔施(わがんせ)と申します。
難しくもなんともありません。寒いとき滝に打たれて風邪をひいたなんてことをしなくてもいいわけです。日常生活がそのまま修行の場、功徳を積む場でもあるわけです。
次の人助けは、「愛語(あいご)」です。優しい言葉、暖かい言葉をかけましょうということです。夫婦も長年連れ添いますと、「何も言わなくてもわかるだろう。」ということになりがちですが、たまには、外国人みたいに言葉にだして「愛している」と言ってみると、何か新しい発見があるかもしれません。
三つ目が「利行(りぎょう)」です。自分が幸せになろうと思うならば、他の人を助けましょう、小さな親切をしましょう、ということです。ちなみに、当寺では、「一食布施」というものを行っております。1ヶ月90食のうち、一食を抜いて寄付して、困っている人々を助けましょうというものです。日本では、わずか百円でも、外国では10倍の価値がある国もあります。
最後に「同事(どうじ)」です。相手と同じ立場に身を置くことで、嬉しさ悲しみを共有しましょうということです。この4つが幸せになるための良い行いです。とても簡単なものばかりです。でも大人ほど、損得勘定をするので、実行が難しい面もありますね。ひとつ、素直な心になって、一日ひとつ実行してみて下さい。
逆に、確実に不幸になる方法もあります。それは、憎むこと恨むことです。テレビドラマなどで、夜中丑三つ時、呪いの人形を木の幹にうちつけるなどというのがよくあります。一見相手がさぞかし困るだろうと思うのですが、実は相手は高枕高いびきでグーグー寝ているのです。恨んだ当人の方が憎しみの毒で、頭がおかしくなったり、体を壊したりします。
ですから、二千五百年の昔にお釈迦様はこうおっしゃっておられます。『恨みに報ゆるに恨みをもってしては恨みの炎は永久に消えない。ゆるすことによってのみ消える。』と。胸の中で「誰々を許します。」と宣言すればよいのです。非常に強い恨みや憎しみは許すのに時間がかかりますが、あなたが幸福になろうと思うなら、憎い人を許してあげることです。そして、その人と自分の幸せを祈ることです。
『布施・愛語・利行・同事』の4つの良い行いを一日ひとつ以上行うことと、『許すこと』、これがあなたが幸せになる秘訣です。合掌
施した後で悔いたり、施して誇りがましく思うのは、最上の施しではない。 施して喜び、施した自分と、施しを受けた人と、施した物と、この三つをと もに忘れるのが、最上の施しである。
正しい施しは、その報いを願わず、清らかな慈悲の心をもって、他人も自分 も、ともにさとりに入るように願うものでなければならない。(大般涅槃経)
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