現在の日本を考えると、一番忘れ去られているものは、次のことではないかという思いを深く致します。皆様はどう思われますでしょうか。
子貢が政治の要諦をたずねると、孔子は、まず第一に、「食を足し」食生活の充実をはかってやること、次に、「兵を足し」軍備をととのえること、そして、「民これを信ず」民の信頼を得ること、と答えた。
子貢は、ではその三つのうち、止むを得ずして一つを除くとしたら、どれを除きますかと再問した。孔子は言下に、「兵を去れ」軍備を捨てよ、と答えた。
子貢は第三問を発して、その二つとも保持し得ない事態が到来した場合、どちらを捨てますか、と迫った。孔子曰く、「食を去らん。古よリみな死あり、民信なくんば立たず」つまり、食物より、信用や信頼が大事だ。道が信じられず、道がすたれるようではおしまいだ、というのが、孔子の考えである。
同じく『論語』に、「巧言(こうげん)令色(れいしょく)鮮(すくな)し仁」という言葉があります。
また、これと対照的な言葉に、「剛毅木訥は仁に近し」があります。「物欲に動かされず、果断よく事を行い、しかも飾り気なく素朴で、うそをつかず、裏表もなく、言葉数が少ない人は、仁者そのものではないが、仁者に近い人である」という意味です。
もうひとつ紹介しますと、「わが思案とかわりたる事を申し出候人は相談相手になり、ごもっとも、ごもっともと申す人は何の役にも立たぬと心得べきなり。」(大丸創業者・下村彦右衛門)があります。
「長所はうぬぼれると、短所になる
短所は自覚すれば、長所となる
やり手になるより、委せられる人になれ」
果たして、自分はどうでしょうか。仏様から見て、上司から見て、同僚や部下から見て、また、お客様から、夫や妻や子どもから見て、地域の人々から見て、信頼されているでしょうか。信用があるでしょうか。
人から、信頼されること、「まかせられる人」になることを目標にしたいものです。自分の自己イメージを切り替えることが大事です。五つの教え『"な"げるな、"に"げるな、"ぬ"るまゆにつかるな、"ね"をあげるな、"の"がすな』で、地道にコツコツと、行動によって、信頼を勝ち得ましょう。それは、あなたにとって、無言の大きな財産となるはずです。(終)
もし王の重臣であって国家の大計を思わず、ただ自分の利ばかりを求め、賄賂を取って政道を曲げ、人民の気風を頽廃させるならば、人民は互いに相欺くようになり、強い者は弱い者をしいたげ、貴い者は卑しい者を軽んじ、富んだ者は貧しい者を欺き、曲がった道理をもって正しいものを曲げることになるから、災いがいよいよ増長するようになる。
すると忠実な重臣は隠れ退き、心あるものも危害を恐れて沈黙し、ただへつらう者だけが政権をとって、みだりに公権を用いて私腹を肥やし、民の貧しさは少しも救われないようになる。(大薩遮尼けん子所説経)
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