2002年10月4日第173号
幸福ニュース

【 信なくんば立たず 】

 現在の日本を考えると、一番忘れ去られているものは、次のことではないかという思いを深く致します。皆様はどう思われますでしょうか。

【信なくんば立たず】

 子貢が政治の要諦をたずねると、孔子は、まず第一に、「食を足し」食生活の充実をはかってやること、次に、「兵を足し」軍備をととのえること、そして、「民これを信ず」民の信頼を得ること、と答えた。

 子貢は、ではその三つのうち、止むを得ずして一つを除くとしたら、どれを除きますかと再問した。孔子は言下に、「兵を去れ」軍備を捨てよ、と答えた。

 子貢は第三問を発して、その二つとも保持し得ない事態が到来した場合、どちらを捨てますか、と迫った。孔子曰く、「食を去らん。古よリみな死あり、民信なくんば立たず」つまり、食物より、信用や信頼が大事だ。道が信じられず、道がすたれるようではおしまいだ、というのが、孔子の考えである。

 同じく『論語』に、「巧言(こうげん)令色(れいしょく)鮮(すくな)し仁」という言葉があります。

 また、これと対照的な言葉に、「剛毅木訥は仁に近し」があります。「物欲に動かされず、果断よく事を行い、しかも飾り気なく素朴で、うそをつかず、裏表もなく、言葉数が少ない人は、仁者そのものではないが、仁者に近い人である」という意味です。

 もうひとつ紹介しますと、「わが思案とかわりたる事を申し出候人は相談相手になり、ごもっとも、ごもっともと申す人は何の役にも立たぬと心得べきなり。」(大丸創業者・下村彦右衛門)があります。

「長所はうぬぼれると、短所になる
 短所は自覚すれば、長所となる
 やり手になるより、委せられる人になれ」

 果たして、自分はどうでしょうか。仏様から見て、上司から見て、同僚や部下から見て、また、お客様から、夫や妻や子どもから見て、地域の人々から見て、信頼されているでしょうか。信用があるでしょうか。

 人から、信頼されること、「まかせられる人」になることを目標にしたいものです。自分の自己イメージを切り替えることが大事です。五つの教え『"な"げるな、"に"げるな、"ぬ"るまゆにつかるな、"ね"をあげるな、"の"がすな』で、地道にコツコツと、行動によって、信頼を勝ち得ましょう。それは、あなたにとって、無言の大きな財産となるはずです。(終)

【坂村真民詩集】

《 すべて他のために 》

花を咲かせる草と

実をつける木とが

鳥に話しているのを

じっと聞いていました

わたしは酉年生まれなので

彼等の言葉はわかるのです

わたしは聞き終わった時

自分が恥ずかしくなりました

もっともっと他の人のために

この身を捧げねばならぬと

思ったのです

すべて他のために

それが彼等たちの

願いだったのです

【仏語集】

 もし王の重臣であって国家の大計を思わず、ただ自分の利ばかりを求め、賄賂を取って政道を曲げ、人民の気風を頽廃させるならば、人民は互いに相欺くようになり、強い者は弱い者をしいたげ、貴い者は卑しい者を軽んじ、富んだ者は貧しい者を欺き、曲がった道理をもって正しいものを曲げることになるから、災いがいよいよ増長するようになる。

 すると忠実な重臣は隠れ退き、心あるものも危害を恐れて沈黙し、ただへつらう者だけが政権をとって、みだりに公権を用いて私腹を肥やし、民の貧しさは少しも救われないようになる。(大薩遮尼けん子所説経)

-------------------------------------------------------

☆ご意見、ご感想、ご投稿をrengein@uproad.ne.jpへどうぞお寄せください。☆

【「幸福ニュース」無料購読申し込み 】

*あなたも メールマガジン「幸福ニュース」を購読しませんか。費用は、無料です。 下記に登録するだけで、E-MAILで毎月3回自動配信されます。

メールマガジン登録

電子メールアドレス(半角):
メールマガジン解除

電子メールアドレス:

Powered by Mag2 Logo

女性のためのメルマガストア「ティアラオンライン」

□インターネット・エクスプローラーでご覧になられることをお勧めします。□

バックナンバー

第171号 極楽のあまり風

第169号 ご先祖様から見た私

第167号 自己とは何か

第165号 クリスチャンの内観

第163号 母と弟と私

第172号 父母兄

第170号 アル中の夫と私

第168号 自己を自覚する

第166号 どんな壁でも突破できる

第164号 考える力生きる力

幸福ニュース・バック・ナンバー(第121号以降)

幸福ニュース・バック・ナンバー(第71号〜第120号)

幸福ニュース・バック・ナンバー(第1号〜70号)