お盆の季節です。お墓参りや先祖供養をされたことと思います。田舎に帰られて久しぶりに親孝行や旧交を温められた方も多いでしょう。
お墓参りをすませて、多くの人はこれで、先祖供養ができたとお考えでしょう。でも、本当にそれだけでいいのでしょうか。それは、形や習慣だけの先祖供養ではないでしょうか。お盆の時は、じっくりと、自分とご先祖さまを振り返ってみるいいチャンスととらえてみては如何でしょう。日頃は忙しすぎて自分の人生など省みる余裕などないと思います。この機会に、ちょっと立ち止まって考えてみてはどうでしょう。
お盆の時は普通、私たちがご先祖さまを拝み、生きている我々からご先祖様のことを考えます。これを逆に、ご先祖様の方から我々子孫のことを見てみるとどうなるか、考えてみましょう。
「ご先祖の方々は、今の私や家族を見て、どう思うだろうか。ほめてくれるだろうか、それともため息をつくだろうか。」「これで、我々先祖も霊界で鼻が高い、安心して成仏できる。」と言ってくれるだろうか。逆に、「お前の顔などみたくもない、先祖の面汚しだ。もうちょっとしっかりしてくれ、悪いことをするな、善いことをしろ。」と説教されるだろうか。あなたは、どちらだと思いますか。
それでは、今後どうすれば、ご先祖の方々から喜ばれる自分になれるのか、行動計画を書いてみましょう。
また、ついでに、ご先祖様からだけでなく、夫や妻から見た自分、子供から見た自分、会社の上司や同僚からみた自分、得意先から見た自分、近所や地域の人からみた自分と、次々と広げて考えて見ましょう。
如何でしたでしょうか。何が見えてきましたか。何か新しい発見がありましたでしょうか。これから、自分の行動をどう変えられますか。
このように複数の視点から観るのが、仏教的な物事の見方考え方です。ひとつの事だけにとらわれすぎたり、執着しすぎては何事もうまくいきません。状況は絶えず変化します。昔良かったことでも、情勢が変われば、悪いことになっているかもしれません。両極端に偏らず、常に複数の観点から考え行動するのが、中道ということではないでしょうか。
話は変わりますが、将棋の羽生竜王は、子供の頃お父さんと将棋をさす時、途中で盤面をぐるっと回して、攻守交替して続きを指す練習をしたそうです。つまり、自分の側からだけでなく、相手の側からも考えるということが、自然と身につき、現在のタイトル最多保持者となっているのです。このように複数の視点で物事を考え、行動するとうまくいくことが多いようです。
また、DEBATE(討論)という授業法があります。これは、あるテーマについて、賛成と反対の2つのチームに分かれて、討論するというものです。例えば、「・・・にゴミ焼却場を作る」という題の場合、賛成と反対の両方の立場から、論点や問題を調査・整理して組み立て、論争し、優劣を判定します。上手な先生は、一回の論争が終わった後、もう一回、先ほどと賛成・反対を入れ替えて、逆の立場から、討論させます。そうすることによって、社会で必要な、相手の立場や、色々な観点から物事を考え、解決法を探 るという習慣が身につくのです。
ということで、お盆にあたり、ご先祖様をただ拝むだけではなく、ご先祖様からみた自分を考えてみるといいことがあるのではないでしょうか。これも先祖供養の功徳のひとつといえるでしょう。ご先祖様が感心して、誉めてくれるような人になりたいものですね。合掌
仏教を信ずる者は、すべてのもののありのままの姿、すなわち、「空」の教えを知っているから、世の中の仕事、人間の間のいろいろのことを軽視せず、そのまま受け入れ、それをそのままさとりの道にかなうようにする。
ものに意味のないものと意味のあるものとの二つがあるのでなく、善いものと悪いものとの二つがあるのでもない。二つにわけるのは人のはからいである。はからいを離れた智慧をもって照らせば、すべてはみな尊い意味を持つものとなる。(仏昇とう利天為母説法経)
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