2004年1月7日第219号
幸福ニュース

【 主婦の内観 】

 この内観を通して、まだまだ足りない自分を見せられ、あぜんと致しました。母を調べさせていただくと、厳しかったはずの母の姿はなく、愛情に包まれていたから、今の自分がある事がわかりました。

 それを一番感じたのは、結婚してからの私への接し方です。甘えん坊の私ですので、婚家での事を相談しても、「それはそちらのやり方でしないといけないので、婚家の両親に相談しなさい。」と言われた時には、「何故?」という怒りにしか感じませんでした。

 しかし、それは母自身が「長男の嫁」を身に染みて感じてきたから言えることがわかりました。本当に心配してくれている事は、次男が生れた時、母自身がまわりから止められるほどの状態であったにもかかわらず、どうしても止められないからと伯父が付き添って大阪まで来てくれた事でわかります。

 また、父を調べさせていただき、お金をお借りしたいとお願いした時、私は主人に相談しておりませんでしたので、「それでは貸せない。」と断られました。今、親となり、断ることがどれほど辛いことか、また、その時にそうしていただかなければ、二度、三度と繰り返したであろうと思います。我が家に「子供の成長とともに親も成長すべし。」というカレンダーがあります。その意味をハッとさせられる思いでした。

 そして今回一番調べなければいけない義母について進めてまいりました。今もとてもよい関係にあるのですが、私の心の中でどうしても許せない部分がありました。ですので、内観することがとても恐かったです。一回目、二回目と進めてゆきましたが、どうしてもそこだけが、ぬぐえません。私をここまで変えていただき、本当に感謝していますので、私自身に腹が立つ程の思いでした。

 そこで先生に「ご迷惑をおかけした事をたくさん見つければよいのでしょうか」と質問致しました。すると、「それだけにとらわれるのではなく、『無』になってしっかり一つずつを調べてください。」と言われました。このあと、先ず「無」になる事に努めました。そして、とらわれずにあるがままに一つずつを考えていきますと、本当に「目からうろこ」の心境でした。本当にうれしゅうございました。

 事実をありのままにとらえる事。これが最大の解決策である事がわかりました。

 こうなるとうれしくなり、もう一つ、兄嫁に対して調べさせていただきました。これも本当にからまった糸がほどけるように私の心が解放されてゆくのが感じられました。そして、そこから、今まで観えなかった子供の事も「どうしてこんな事がわからなかったんだろう」と思えるほど、次々と観えてまいりました。  本来なら子供のことを先にすべきところですので、兄嫁を先にすべきかどうか考えましたが、兄嫁の事も解けてきましたが、別の角度から子供の事が観えてくるとは驚きでした。

 最後あまり時間もなくなりましたので、長男については毎日考えない日はありませんので、次男について調べました。本当にこの子には親からみても頭の下がる想いでいるのですが、改めてその思いを深める事になりました。

 何と言っても中学生の時、兄が高校を中退しましたので、その事で学校で随分いやな思いをしていました。同じ中学ですので、同級生の兄姉が知ってる人がたくさんいます。その上、先生からも「お兄ちゃんは・・・」と、中学の時の事から言われるのがとてもいやだったと、卒業してから話をしてくれました。

 もちろん私も先生に「兄が中退した事で彼が困っている事、その他少し見ていただくように。」とお願いはしておりました。そんな中、毎日学校を休まずに行く事がどれ程のものであったか、しかも文句を言うでもない子でしたので、胸の中は張りさけんばかりだっただろうと思います。

 高校に入ってからは男の子ですのに、本当に色々とよく話をする子でした。話し足りなければ私の後ろについて回り、話が終わるまではどんなに遅くなろうとも最後まで話してくれました。そんな中、高3の時、先生の事、友達の事でとても悩み、学校をやめたいと言った事があります。その時、本当の目的は何なのかという、今考えれば内観的考え方で、思いとどまるよう話をした事があります。

 主人に対しては、本当に感謝の一言しかありません。今回こちらに来るにあたっても、私は「長男の内観が深まれば」と思っておりましたが、主人から一言、「自分の為だろう。」と言われました。

 今回内観させていただき、本当にその通りである事、自分は反省、感謝の気持でいると思った事が、まだまだ足りない自分を観させていただきました。ほんとうにありがとうございました。(終)

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 『内観』とは、身近な人々、母または母親代わりの人、父または父親代わりの人、配偶者や周りの人々に対する本当の自分を見つめるために、(1)していただいたこと(2)してさしあげたこと(3)迷惑かけたこと、について、具体的な事実を過去から現在まで調ベる中で、色々な気付きや発見により、悩みの解決ができ、より幸せに、また、より素晴らしい人生を過ごせるようになる方法です。

 また人だけでなく、物に対しても同じように3つのことを調べる事ができます。例えば、自分の胃や手や足について、また、太陽や空気や水やトイレや食物について調べると、何を発見するでしょうか。是非、お試し下さい。

【坂村真民詩集】

《 愛 》

木木を愛すれば
木木はその愛に応え
幸せを与えてくれる

石を愛すれば
石もまたその愛に応え
み仏のように守ってくれる

愛のあるかぎり
この世は明るく
つねに道を開いてくれる
ああ愛の明かりをつけ
暗いものを消してゆこう
生きがたい世を

【仏語集】

 賢い人とは、常に感謝の気持ちを持ち、直接自分に親切にしてくれた人だけではなく、すべての人に対して思いやりを持つ事によって、感謝の気持ちを表そうとする人である。(パーリ、増支部2−4)

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