2003年11月28日第215号
幸福ニュース

【 お母さんの内観 】

  今回は、前回の非行に走った少女のお母さんが、続いて内観を受けられましたので、その内観感想文です。

【 45才女性の内観 】

 私が内観に参加させて頂いたのは、次女がきっかけでした。娘は高校生になってしばらくたった頃から、すっかり非行に走ってしまいました。主人と私ではどうすることも出来ず、蓮華院誕生寺で貫主様(住職)の特別指導相談を受けました。その時、7〜8ヶ月の先祖供養と開運祈願を勧められました。

 その時、貫主様が、「内観を受けさせた方がよい。でも本人の気持ちが大事だから、無理に受けさせても無意味。」との事でした。また、本人もこの時はお寺のことを全く拒絶しました。

 祈願をお願いしてからは、夜中に家を抜け出すことは全く無くなりましたが、姉のお金を盗むことは何回かありました。

 高校を退学するかどうかと言う時に、また特別指導相談を受け、その時に再度、貫主様が、「一日も早く内観にやりなさい。」とのことでした。

 ちょうどその時、本人の素行のことで叱っていた時、本人が「私は変わりたい。」と言いましたので、「本当に変わりたいのなら、内観に行っては。一週間、蓮華院の奥之院に行く事。内容は知らない。」と言いました。

 本人は、「本当に変われるのなら行く。」との事でした。「行っただけでは変わらない。自分が変わろうと思って、一生懸命頑張ったら変われるキッカケをつかめると思う。」そう言って、娘を内観に送り出しました。翌月、私が受けることは、娘との約束でした。

 娘は内観から帰ってきた時は、全くの別人でした。一番変わったのが、私に対してで、感謝の気持ちを持って帰って来た事、今まで迷惑をかけたことを感じている事、素直に謝る事でした。今も続行中です。そんな娘を見て、一日も早く内観を受けたくて仕方ありませんでした。

 内観をしてみると、今までの私は、なんと身勝手で自信家でゴウマンだったのか、親として、子供たちに大変迷惑をかけてきている事に気が付きました。

(両親に対して)

 私の小学1年から3年まで、母はガンで入院していました。その時、父に連れられて、船と汽車で2時間かけてお見舞いに行った時、母はサンタクロースの長靴を買っていて下さいました。とっても嬉しかった!! 私も母が入院生活をしていて淋しかったけど、母はもっと幼い子供達を残している事で、辛く苦しかったでしょう。

 もう一つは、貧しくて高校進学をあきらめた時、両親を恨みました。内観してみると、本当は、入社して一年経ってから、通信制で高校の資格をとろうとしていたのに、日曜日ごとに学校に行くのがイヤになって、遊んでいるのが楽しくて、途中で高校をやめてしまった事、自分自身、努力しなかった自分を素直に受け入れる事ができました。

(夫に対して)

 いつも「私の考えが正しいのだ。」「娘が非行に走ったのは、浮気など、夫の方が私より悪い事をしているからだ。夫の責任だ。」「もう少し、子育てに協力して欲しい。」等々、憎しみや愚痴や不満ばかり、思ったり言ったりしていたが、本当は何でも私の思い通りにさせてもらっている事に気が付きました。しばらく別居していた時も、ちゃんと生活費を欠かさず送ってくれました。

(長女に対して)

 いつも私を支えてくれていた。今こうしているのも、長女のお陰です。それなのに私は小学校低学年の頃は、大変淋しい思いをさせて来ている事を改めて思い出しました。長女は、思いやりのある心優しい子供に成長してくれたのは、祖母の姿を見てきたのが、次女よりも永いからだと思いました。

(次女に対して)

 生れて5ヶ月目から3才になるまで、主人は単身赴任で留守でした。1才から私は営業の仕事を始めました。そんな中、次女に対して、本当に優しい愛情ある態度で子育てしてきたとは思えません。

 本当に今、「この子は、何を考えて、どう思っているのか。」、子供と同じ視線で、この子を観ていた事があったのだろうか。非行になって、娘を叱ったり、責めたりしても、それは今まで私がとっていた、感謝の気持ちを忘れ、身勝手でわがままで、自分の考えを押し付けてきた事の結果で、しょっちゅう夫婦げんかをしていた、私のみにくい心をみせてくれている事に、気が付きました。

 そして、家族が元のように一緒に暮らすようになったのも、この子のお陰だし、次女は「ラッキーガール」なのです。娘のお陰でこうして内観を受けることが出来て、心から感謝しています。

 帰ったら家族に、「一週間ありがとうございました。」と言いたいです。現実に負けるな!!私が変われば、主人も内観を受けてくれると思います。(終)

【坂村真民詩集】

《 光る海 》

責めるな

責めるな

決して責めるな

責める心が起きたら

海を見にゆこう

すべてを受け容れ

光り輝く海を

【仏語集】

 ある日釈尊は、長者の家に入って、妻のスジャーター(玉耶女)を呼んでこう教えた。

 「スジャ一夕ーよ、世には七種の妻がある。

 第一は、人殺しのような妻で、汚れた心を持ち、夫に対して敬愛の思いがなく、はては他の男に心を移す妻である。

 第二は、盗人のような妻で、夫の仕事に理解を持たず、自分の虚栄を満たすことだけを考え、口腹の欲のために、夫の収入を浪費し、夫のものを盗む妻である。

 第三は、主人のような妻で、家政のことをかえりみず、自分は怠惰であって口腹の欲にだけ走り、常に荒々しい言葉で夫を叱陀している妻である。

 第四は、母のような妻で、夫に対して細やかな愛をいだき、母が子に対するように夫を守り、夫の収入を大切にする妻である。

 第五は、妹のような妻で、夫に仕えて誠を尽くし、姉妹に対するような情愛と、ざんきの心をもって夫に仕える妻である。

 第六は、友人のような妻で、常に夫を見て喜ぶことは、ちょうど久しぶりに会った友に対するようであり、行いは正しくしとやかに、夫を敬う妻である。

 第七は、女中のような妻で、よく夫に仕え、夫を敬い、夫のどんな行いをもよく忍び、怒りも恨みも抱かず、常に夫を大切に生かしてゆこうと努める妻である。

『スジャーターよ、おまえはこのうち、どの類の妻となろうとするのか。』」(玉耶経)

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