結婚できてもしない女】 |
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今回は、「結婚したくてもできない男 結婚できてもしない女」(白河桃子著、サンマーク出版)を紹介させていただきます。
今、日本の「結婚」に異変が起きています。日本の男女は結婚しなくなってしまったのです。空前のシングル時代になりつつあります。日本は95%の人が50才までには結婚するのが当たり前という国でした。
ところが、ある信頼できる推計によると、1985年生れの女性の50才まで未婚でいる確率は16.8%、つまり6人に一人、最悪の場合、22.6%、約4.4人に一人が独身と予測されています。
この晩婚化、非婚化の主役は主に1960年代生れ(S35〜44年)と言われています。2000年の国勢調査では、30代前半、つまり、1960年代生れの男女の未婚率が4割を超えたと注目されました。2002年の「日本の将来推計人口」(国立社会保障・人工問題研究所)では、「1960年代生れの妻たちが子供を産まない傾向」が晩婚化以外の少子化の要因として指摘されています。
この本は1960年代生れを中心に、変革期の日本のこれからの男女の結婚がどうなっていくかを探るものです。結婚相手を探しているが、なかなか結婚できない方や、そのご両親、そして、結婚していない若い部下を持つ方々にも読んでいただきたい本です。
「結婚したくてもできない男」の特徴
A.恋愛経験がうすく、恋の修羅場を避けてきた。(恋愛をしないので、恋愛筋力が不足している。傷つくのが怖い。)
B.心の中に忘れられない女性がいる。(過去の恋愛を引きずっている)
C.「いい人」で終わってしまうケースが多い。(恋愛関係になりにくい)
D.慎重、裏を返せば決断力が弱い。(女性と固定した深い関係になるのをためらう)
E.ひとりの心地よさを知ってしまった。(気をつかう生活は何かと面倒だと思う)
F.女友達がいない。(女性を同等の仲間とは思えない)
G.しっかり者で働き者の母親がいる。(マザコン気味である)
H.守りが固く、受け身で、つけいる隙がない。(女性から見て「手ごわいー」)
I.妻子を養うのは当たり前と思っている。(ゆえに、経済的プレッシャーがある)
J.「結婚=子供=家庭」と素直に思える。(保守的な家庭で育っている)
K.「男は仕事、女は家庭」という意識が強い。(家事は自分の領分じゃないと思っている)
L.いい夫、いい父親になれる自信がある。(自分の結婚だけは成功すると思っている)
M.年の離れた若い女のコがどうしても好き。(何事も自分よりも下の女性のほうが安心する)
N.結婚に対して、過剰な夢や期待がある。(運命のお姫様を待っているロマンチストだ)
「結婚できてもしない女」の特徴
a.今の生活(自由と生活レべル)の満足度は高いが、一生自分で自分を養うのはちょっときつい、と思っている。
b.かといって、結婚にすべてを預けられる時代じゃない、とも思っている。
c.子供は欲しいし、自分の手で育てたいし、家事もこなさなければいけないと思っている。
d.二十代のときに、バブルを経験している。(満たされない思い。足るを知らない)
e.自分磨き、自分癒し、自分探しに熱心だ。(トレンド、カルチャー、占い、留学、転職などの情報が豊富)
f.自分よりも上手で、尊敬できる男性が好みだ。(年上の優れた男性)
g.結婚しても、恋愛はずっと持続させたいと思っている。(フォーエバー・ラブ症候群)
h.バーチャルな恋人にハマって、生身の男とつき合うのが億劫だ。(熟女限定SMAP症候群)
i.強力な専業主婦の母親がいて、「いかず後家」「もらい手がない」という言葉に過剰反応してしまう。(母親からの束縛)
j.今どき珍しい立派な父親がいる。(ファザコン)
k.家族の仲が親密で、今でもなお誕生会をやったりする。
l.「ここまで待ったのだから、不本意な結婚はしたくない」と思っている。
m.いつか「白馬に乗った王子様」に出会えると思っている。
総じて、男性も女性も、現在の生活には満足しており、不自由はないので、理想的な相手があらわれるまで、結婚しないという面が強いとも言えます。また、女性が経済的な実力も持つようになり、結婚感も大きく変わりつつあります。しかし、男性は女性のその変化を知らない、古い結婚観のままの人が多く、女性とのずれも生じているようです。
男性の場合ですが、「馬には乗ってみよ。人には添うてみよ。」という諺があり、昔は適齢期の女性にむけて使われていました。ところが、現在では、晩婚の男性に言わなければならないようで、誰か背中を押してやる人が必要なのです。それから、恋愛至上主義だったり、10才年下の自分の思うようになる可愛い女性がいい、家事はしたくないという、古い家庭観にこだわっているので、先を行っている女性と合わず、結婚できないという面もあります。
女性は、男性より自由に、仕事や遊びや自分磨きに、日本だけでなく、外国まで飛び回って活躍し、エンジョイしているようです。そのため、自分より優秀な男性を求めがちな所もあります。また、何よりも、親と一緒の現在の高い生活レベルを落とすのがいやな為、という人も多いようです。女性の方が「依存していない自分」になれば、意外と近くに「青い鳥」を見つけることができるのではないでしょうか。今まで、視野に入らなかった、年令には関係なく柔軟で自立した男性が、きっと目にはいることでしょう。
誰もが好きな人と楽しい家庭をもてる時代になったのに、このシングル大量発生時代がきているのは、どうしてなのでしょうか。日本人の男女が「個」としての「大人」になれないうちに、すべてが豊かになり、「大人」として成熟しないうちに、お金の力で急に何もかもができるようになってしまったのです。
恋愛ばかりではなく、人ときちんとかかわるには「大人」であることが不可欠なのに、「大人」になれない大量の男女の群れができてしまっているのです。「個」ではなく「大人」でもない男女は、人とかかわることが怖い。傷つくことが怖い。温め合いたいのに寄り添えないのを、心理学的には「ハリネズミのジレンマ」と言いますが、今の私たちが抱えているのは、まさにそれではないでしょうか。
これからは、男性も女性も、自分自身を見つめて、個として確立した大人となることが何よりも重要であると、著者は主張しています。その過程で、自分を縛っているのは、誰でもない、自分自身だということに気付く人もいるでしょう。
また、著者は、これからの結婚や家庭は何でもありの多様性の時代で、頭の柔らかい人の方が男女とも結婚しやすいし、家庭生活もうまくいくだろうと述べています。著者は、「できちゃった婚」が晩婚化や少子化に歯止めをかける希望の星かもしれない、とまで言っています。結婚奨励金が必要な時代になってしまったのでしょうか?
夫婦の道は、ただ都合によって一緒になったのではなく、また肉体が一つ所に住むだけで果たされるものでもない。夫婦はともに、一つの教えによって心を養うようにしなければならない。(ビルマ仏伝)
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