古来人間は幸せになるためにいろいろな方法を考えてきました。そのひとつとして、見えにくい未来を読むために人間は占いを発明して、幸せになろうとしました。手相、星占い、干支占い、四柱推命学、等々です。
そして、この頃は、「プラス思考」をすれば幸せになれるという考えがはやるようになりました。何でもいい方へ考えようという方法です。ただ、「あなたは、ガンであと半年の命です。」などと言われると、「しめた。運がいい。」などとはとても考えられません。プラス思考などどこかへ吹き飛んでしまいます。この方法もやはり限界があるようです。
そこで、「ブレイク・スルー思考」というのを、考え出した方がいます。これは、福島大学助教授の飯田史彦先生が提唱しているもので、価値観の転換により、即ち、物事の捉え方を変えることによって、状況を好転し、幸せになる方法です。
そう考えると、内観も「ブレイク・スルー思考」の一つと言う側面を持っていることに気付きます。
例えば、中学生の時、父親の浮気が原因で両親が離婚し、非行に走った女性がいました。父親を恨んで育ち、覚醒剤にもおぼれてしまいました。父に対する憎しみは相当強いものがありましたが、内観で養育費を計算したところ、なんと2千万円にもなることに気付きました。その事実の前に、あれほどの憎しみが消え、父親は私を愛してくれていたんだという愛情の再発見により、心が癒され、父親を愛せるようになりました。
事実はひとつですが、物事の捉え方が変わったために、つまり、マイナス面ではなく、プラス面を見られるようになったため、幸福になった事例です。
また、臨死体験者で、環境問題専門家の木善之氏は、「腹がたつのは、自分の思い通りにならないからです。」と言っておられます。つまり、自分の価値観(モノサシ)と、現実や他人の価値観(モノサシ)が違うので、腹がたつのです。
でも、よく考えてみて下さい。自分でさえ、100パーセント自分の思い通りになるでしょうか。自分でさえ自分の思い通りにならないのですから、まして、他人はなおさらです。ですから、むしろ、「思い通りにならないのが、当たり前」なのです。お釈迦様は「人生は苦である」とおっしゃられましたが、この「苦」とは思い通りにならないということなのです。
ダライ・ラマ法王は、「腹が立ったとき、どうされますか」という質問に対し、「私も人間ですから、腹が立つこともあります。でも、そういう時は、怒りを放っておきます。怒りは時間がたてば消えます。大事なのは、怒りに反応しないことです。」と言っておられました。
人間観察家で霊能力者の小林正観氏は、「物事を肯定すると幸せになるし、否定すると不幸になります。」と述べています。氏の長女の方は障害児として生まれましたが、それを受け入れられなかった間、まわりは今までのカラーの世界から、黒白のモノクロの世界に変化したそうです。眼はどこも悪くないのにです。そして、障害児を受け入れる気持ちになった瞬間に、視力は全て元通りカラーの世界に戻ったそうです。
このように、「全てを受け入れる」ことが、一番大事なのです。また、「3秒で悟る方法」があります。それは、「1秒目、過去の全てを受け入れる。2秒目、現在の全てを受け入れる。3秒目、未来の全てを受け入れる。」というものです。
そして、「(自分の力だけで)生きている」のではなくて、「生かされている」ことを、心の奥底深くで感じることが大切です。すると、何事に対しても、感謝の心がわいてきます。「ありがとう」が自然と口をついて出ます。また、「ありがとう」をたくさん胸の中で3ヶ月以上唱えると何かいいことがおこるそうです。あまり執着せずに気楽な気持ちで、やってみてください。きっと何かしら良い事が起こり、幸せに近づくでしょう。
それでも、だめな時の最終手段は、「祈る」ことではないでしょうか。伊藤忠の会長を務めた瀬島竜三氏が、厳しいシベリヤの独房の中でふと脳裏に浮かんだのは、幼い頃母に教わった延命十句観音経だったそうです。不幸のどん底に落ちた時、人は自分より大いなるものに救いを求めるのではないでしょうか。ナチスのアウスビッツ収容所を描いた『夜と霧の中で」という本でも、体力のある人ではなく、価値観を転換し、マイナス面ではなくプラス面を捉えることのできた人々が生き延びたことが描かれています。
如何でしたでしょうか。どうやら、大肯定と感謝が幸せへの道のようですね。皆さんも是非試してみてください。3ヵ月後何かいいことが起こったら、是非投稿してください。できるだけ、幸福ニュースに掲載させて頂きたいと思っています。合掌
迷いもさとりも心から現れ、すべてのものは心によって作られる。ちょうど手品師が、いろいろのものを自由に表すようなものである。心は巧みな絵師のように、さまざまな世界を描き出す。
すべてのものは心から起こると、仏は正しく知っている。だから、このように知る人は、真実の仏を見ることになる。
貪(むさぼ)りの心から迷いの世界が生まれ、迷いの世界のさまざまな因縁も、要約すれば、みな心そのものの中にある。(華厳経)
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