なぜ私が内観を受けようかと思ったのは、自分の心が弱くて弱くて、「自分を嫌い」になりそうだったのを止めたかったからです。
今年の四月から息子の川崎病、主人の入院と立て続けに不幸が起こり、体が疲れ果ててどうしようもない時に、主人がいつもと様子が違い、「もしかして、浮気をしているのでは?」という疑惑の念にとりつかれて暗いトンネルに入り、抜け出せなくなってしまいました。
なぜ、主人が「浮気」をしていると思って疑ってしまったかというと、子供が主人の携帯電話をいじり、私が偶然にも彼のメールを読んでしまったからなのです。
以前の私なら気にならなかったし、見もしなかった内容だったのですが、その時の私は、自分を悪い方へ悪い方へと考えて、気持ちを暗くし、あげくの果てには、なかなか寝付かれない毎日を送る日々となってしまいました。
私は何とかここから抜け出そうと、もがき苦しみました。しかし、そうすればする程底なし沼に入ってしまったかのごとく、ズブズブと深みにはまる一方でした。
「あー、どうしよう。信じたいのに疑ってしまう。笑っていたいのに、笑えない。」と繰り返してばかりで、なかなか真実に踏み込めない。「もし、悪い事実だったらどうする?こんな自分で耐えられるのか?」と思いました。
そんな暗い私を見て、大学生の弟は、「姉ちゃん、このままだと死んでしまうよ。一度、熊本県の蓮華院誕生寺で内観を一週間受けてきんしゃい。その間は僕が責任を持って子供の世話をするけん。とにかくお寺の方の話を聞いて、その通りにするだけでよかけん。そうしたら、体調不良が心から来ているのか、体のどこかが悪くなってるからなのか分かるから。安心して行ってきんしゃい。」と私を勇気づけてくれました。
その時、なんて私は良い弟に恵まれたんだと感動しました。私は、こんな自分をここまで応援して、家族皆が協力してくれるんだ。これは真剣に受けてこの自分を解決せねばと思い、内観初日を迎えさせてもらいました。
とにかく私は、「あるかどうかわからない主人の浮気の事よりも、小さい事をくよくよする自分を何とかせねば!」と母について内観を始めても、ぐるぐると心の奥に閉まったはずの悩みや憎しみが次々と出てきて、全く集中できませんでした。
しかし、先生方の様々なアドバイスで徐々に、そこにとらわれなくなりました。一番印象に残ったのは、「何事もーーしすぎなさんなよ。」「こだわりすぎなさんなよ。がんばり過ぎなさんなよ。心配しすぎなさんなよ。」と夕方のお参りで話をして下さったことです。
私はまさにその「過ぎる人間だ!」と思えたのです。これがヒントとなり、私は二日目、三日目と少しずつ集中できました。
私にとっての内観は、三日目まで苦しくて苦しくて仕方がないものでした。その時の私は、心の底にしまっておいた弱い心を引きずり出すのです。それで、私はダメな人間だと思ってばかりで、前に進む事ができませんでした。
しかし、四日目になって、父の内観をしていますと、どんな時でも私を温かく見守っている父の顔を思い出し、すーっと内観が深くなっていきました。
私は、「理想を追い求めすぎて、他人の評価ばかり気にしすぎて、くよくよし、心配しすぎる人間です。肩に力のはいりすぎる人間です。」と、少しずつ面接で答えられるようになりました。そうすると、父、母、主人に対して迷惑をかけた事がスラスラと言えるようになりました。
今までは、主人の悪い所ばかり探す「逆内観」をして、「私は正しい。悪いのは主人だ。」と思っておりました。でも、主人に対する「内観」をすると、主人は実に沢山のことを私にして下さり、私は実に多くの事で主人に迷惑をかけていたことに気付くようになりました。
お蔭様で、心も明るく、体調も良くなりました。内観を通じて、心で素直に感じ相手に伝える事が、こんなにも素晴らしく心が軽くなる事を知り、私はこの一週間の体験を決して忘れません。本当にありがとうございました。
深くおのれを省みて、自分の罪と汚れを自覚し、懺悔する。他人の善いことを見るとわがことのように喜んで、その人のために功徳を願う心を起こす。(観無量寿経)
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