今日の内観を終えて、正直に話して深い内観が出来たかと聞か れたら、出来ていなかったかもしれません。それでも来て損をし たという感情はひとつもありません。自分なりにはですが、気付 きはありました。気持ちが楽になったような気分です。

　まずは、母に対してですが、正直に言って、母に対して良いイ メージはありませんでした。家族内でケンカがあれば必ず母が関 係していましたし、母が悪いと決め付けていた自分がいました。 そのため、嫌いという訳ではありませんが、母が嫌でした。

　でも実際に内観を通して、色々な場面を振り返ってみたら、母 の言葉は間違ってはいません。確かに言い方や伝え方が下手かも しれませんが、それは全てが自分の為に伝えようとしていました。

　自分がこの年になっても大人になりきれず、その言葉をストレ ートに受け取り、本当の大切な意味を理解できていなかっただけ であり、母の言葉に間違いはありません。今だから言えますが、 「ごめんなさい」と謝りたいです。母の「貯金をしなさい」と何 度も繰り返された言葉が、今では胸に響きます。

　母の言うとおりにしていたら、妻にも両親にも面倒な思いをさ せずに済んでいました。本当にごめんなさい。互いにすぐに意地 を張ってしまう人だけど、これからは言われたらうれしいです。

　次に父に対してですが、父には心の底からの「ありがとう」を 伝えたいです。父との思い出を振り返ると、いつも家族を大事に 考えてくれ、寂しい思いなどした事がありませんでした。

　自分にとって最高の手本であり、人生の上で最高のライバルで す。父の背中を越えられるよう自分が頑張ることが、父へのお返 しだろうと思いました。本当に甘えてばかりの自分ですみません でした。

　そして、２人の姉にですが、まずは長姉に、何もしてあげられ なくてごめんなさいと謝りたいです。姉が高校の時に病気になっ たけど、自分は怖くて何も出来ず、話しかける事もしなかったし、 今でも何か距離をおいているかもしれない。

　でも自分も高校の時に両親へ計り知れない迷惑をかけたのは同 じ。自分達２人は特に両親へ感謝しないといけないのかもね。た ぶん２人の迷惑で両親とも１０才はふけたかもよ。

　だから、これからは俺も一緒になって、両親への親孝行をして いくから。見捨てずに、何かあったら、自分にも声を掛け続けて ほしいです。だから、姉にはこれからもよろしくという言葉を伝 えたいです。

　次に次女の方の姉ですが、兄弟の中で一番優しくのんびり屋だ けど、一番の家族思い。そして何よりも父に似ていると思う。内 観してて姉のことがうらやましく思え、何もかもが自分の手本だ と思いました。

　内観し、そんな姉に１年位前に本当に失礼な事を言ってしまっ た事を後悔しています。姉は今しか出来ない事を両親へしていた のではないかと気付いた時には、本当に謝らないといけないと思 った。会わせる顔がないです。本当にごめんんさい。

　だから、姉には今のままの優しい姉でいてほしいです。ごめん なさいとありがとうの二つの言葉を送りたいです。

　最後に妻へですが、自分は妻に出会えた事を、そして今がある ことを本当に後悔なんかしていないと内観して改めて感じていま す。子供が出来た時、沢山ケンカして色んな不安や迷いがあった かもしれないけど、産むと決めた事に心から感謝です。

　２人の子供だから、助け合って２人で子供の成長を見守ってい こう。それから、身体がだるいのにご飯を作ったり、掃除をいつ もしてくれて、ありがとな。俺も頑張るから、何でも手伝うから、 何でも話してほしいです。

　それから、内観が終わって何がしたいと考えたら、妻がいつも 作ってくれるコーヒーが飲みたいと思った。今ではあのコーヒー が自分の中での定番だよ。本当に今がある事に感謝してる。妻へ の言葉は、しっかりと言葉として伝えたい。

　なんか手紙みたいな文章になってしまいましたが、改めていろ んな感情や思いがあります。内観中にはきつさもあったが、本当 に来てよかったです。良い体験になったと思います。

　最後に、この内観が仕事の一部だと思って来ていたことに後悔 しています。目的意識がはっきりと自分自身の中のものについて 考えられていたなら、もっと早くから色んな気付きが出来たと思 います。本当にありがとうございました。

すべての人々には、清浄の本心がある。それが外の因縁によって 起こる迷いのちりのために覆われている。しかし、あくまでも迷 いの心は従であって主ではない。（首りょう厳経）