今回は、無能唱元著『人蕩し術（ひとたらしじゅつ）』（日本 経営合理化協会）と、レス・ギブリン著、渋井真帆訳の『チャン スがやってくる１５の習慣』（ダイヤモンド社）をご紹介致しま す。両著とも、人を動かし、自分を魅力的に幸福にする方法と、 人間関係を解説した、非常にわかりやすく実用的なお勧めの本で す。

（１）人蕩の極意「魅は与によって生じ、求によって滅す」

　あなたが他人に何か与えれば、あなたに魅きつける力が生じ、 あなたが他人から何かを取ろうとすれば、その力は即座に消え てしまうのです。ただし、セックスは隠し、むやみに与えない 方が逆に魅力を増します。

（２）人の重要感を満たす。

　成功者は腰が低く、相手の自己重要感を高めることがうまい。 その為には、自分の自己重要感をあらかじめうまく充足してい る必要がある。その方法として、毎日「自分は優れた・・・だ」 というような自己暗示を続けるとよい。あるいは、仕事や芸術 やスポーツなどで才能を認めてもらう方法や、他人の為に役立 つことをするやり方もある。

（３）正しさよりも、明るく楽しく暮らす。笑顔と挨拶と話し かけが重要。人は自分の不正を指摘されることを好まない。正 義は主張せず、なるべく目立たないように自らが行う不言実行 型が望ましい。

（４）寛容さを心内に創造する。敵を心理的に許す。敵を許す ということは、自分の心を縛っている憎しみという否定的な感 情から、自分が解放されて、自由な心境を得るということに他 なりません。

（５）緊張をゆるめる二つの方法

　生命活動は緊張と弛緩の繰り返しである。緊張から解放され るには、獲得するか、諦めてしまうことである。その為には、 時に求め、時に諦めることにより、緊張と弛緩のバランスのと れた生活をするのがよい。

（６）現在の思念が将来の鍵・・・思念を変える二つの思考

　　　a.過去の失敗体験を忘れ、成功体験を思い返しては喜ぶ。
　　　b.未来に対しても、失敗を想像せず、成功を想像しては喜ぶ。

（７）自分を愛しなさい。あなたの内側が愛で満たされてい るならば、あなたの外側にもそれが及ぼされるのです。愛と は与えること。他人の悩みを除き、喜びをはかることです。 自分を愛することによって、他を愛することが出来るのです。

（８）陽転思考こそ幸福への鍵

　陽転思考とは、この世の一切を肯定的に捉えようとする思 考的努力の事。人蕩し術とは、まず、己れ自身を明るく暖か にする所から始まります。人は明るい人が好きである。悟り とは、陽気になることである。愛心を発露し、自他の区別を たてず共に利益を計り、人生の遊行者たれ。

人間の法則1.「人は何に頼るのか？（何を基準に買うのか）」・・・見た目が８割。

人間の法則2.「人はどういう時に情報を記憶するのか？」・・・口に出しながら行動した時。

人間の法則3.「記憶が長続きするのは？」・・・見て聞いた時。

習慣１.人間は自分にしか興味が無い、と知っておく。

習慣２.相手のことだけ話題にする。

習慣３.認められている、と相手に感じさせる。

習慣４.どうしてもやむを得ない場合を除き、とにかく同意する。

習慣５.聞き役に徹する。

習慣６.相手の求めているものを見つける。

習慣７.あなたの意見は「ある人の意見」として語る。

習慣８.「ノー」とは言わせない状況にする。

習慣９.会った瞬間に笑顔を向ける。

習慣10.一日に三人ほめ言葉をかける。

習慣11.相手のミスに怒りで反応しない。

習慣12.「ありがとう」と声に出す。

習慣13.自分には価値がある、と信じる。

習慣14.五つのルールを守って話す。

習慣15.この習慣を実践する。

　このようにして自ら教えを得て、広く施し、敬うべき人を敬い、 仕えるべき人に仕え、深い慈悲の心をもって他人に向かわなけれ ばならない。利己的であったり、思うままにふるまうのは、道を 行う人の行ではない。（大般涅槃経）