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2007年7月6日第391号
幸福ニュース

創刊10周年!皆様に心から感謝申し上げます。

【 夫婦仲 】

      

今回は、夫婦仲がうまくいかず、内観に来られた主婦の方の内 観体験感想文をお届け致します。

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 まず、母にお世話になったことで、生まれてから5才までを調 べました。「お世話になったことあったかなぁ」と思いましたが、 自分の記憶に残っていないだけだ、私の生まれて5才までは、ど んな様子だったろうと想像してみました。

 まず、産んでもらったこと、お乳を飲ませてもらい、オムツを 替えてもらったこと、お風呂に入れてもらったこと、そして、私 の誕生をどんなにか喜んでくれたことか。考えると、してもらっ た事ばかりで、私のして返した事は何もありません。とても愛に あふれた中で暮らしていたように思います。

 そして母は、自分が年をとっていたので、私がいくつになるま で生きていられるだろうかと思い、毎日暮らしていたと話してく れ、どんなにか私の事を心配してくれていました。

 小学校、中学校時代に対しても、記憶をたどれば、してもらっ た事ばかりで、どんなにか幸せな日々を送らせてもらっています。 高校・短大にしても、してもらったことばかりで、何もして返し たものはないのです。

 それなのに私は、自分の勝手な思い込みで、母みたいなりっぱ な人にはなれないとか、兄弟の中でも私が一番ダメな子と思いこ んで、今まで生きてきたように思います。

 そして、母の言うこと、することが違っていると、私は勝手に 判断して「あなただって、やれないじゃない」という、いやらし い心で母を見ていたようです。

 結婚してからも、そういうふうなものを持って、母と接してい たようで、とても申し訳なく思っています。母はそんな強情さを 知っていたと思います。本当に本当に申し訳なかったです。

 何の愚痴一つ言わず、私達を育ててくれ、「それより、あんた たちがおったけん幸せだった」と言ってくれてました。私も母の ように優しく明るく生きていきます。本当にありがとう。これか らもずっと一緒だね。

父に対しては、母よりももっと存在が薄く、最初は本当に何も 思い出せませんでした。でも、よくよく調べると、私の誕生を 誰よりも喜んでくれたのは、父ではないかと思います。

 前の奥さんが三番目の子を産んで亡くなり、その女の子は妹夫 婦にもらわれました。その父のつらさを思うと、胸がつまります。

 私の成長は、もらわれていた姉と重なって、愛しかったのでは ないかと思います。私は勝手に、父からは愛されてないと思って いましたが、生まれたときからずっと愛の中で育っていた事に気 付きました。

 父が中学を退職して力がぬけたようになりました。私は、この 間までちゃんと働いてりっぱにしていたのが、何でこんなにだら しなくなるのかと、父を責めていました。

 今思えば、七人の兄弟が大学、高校、中学と一番学費がかかる 時期で、それを思えば、何もせずに家にいることが、とてもやり きれなかったと思います。本当に申し訳なく、優しい言葉もかけ られない娘でした。そのうえ私は、父のようになりたくないとい う思いがありました。

 でも、それがあって、この内観にたどりついたように思います。 死ぬまで私たちのことを心配していたと思います。

 父母のことを調べ、主人のことを思うと、付き合ってから今ま での20年間、私の言いようにさせてもらってきました。それな のに自分が気に入らないと主人を責め、主人の気持ちは見てきま せんでした。

 主人と知り合い、どれだけ私の心は解放されたかわかりません。 それほど気持ちが安定して、愛する人がいてくれる喜びは最高の ものだったのに、どこか自分の心の奥に壁をつくり、素直になれ ない私がいました。

 ずっと調べていくなかで、父も母も自分のつくりあげた「りっ ぱ像」「だめ像」で見ていて、主人には「私の言うことを聞いて くれる人」として見ていたように思います。

 調べれば調べるほど、してもらっている事ばかりで、それが私 の気に入らないという「我」も出て、本当に情けない自分です。

 今回、初めて相手の立場に立って物事を見た時、本当の父母の 姿を見ておらず、自分のつくりあげた嘘の父母を心の中に持って いたようです。そして、主人に対しても、自分に対しても、本当 の姿ではない中で暮らしていました。

 そして、自分の怒りやダメな事を父や母そして、主人のせいに して、自分と向き合っていませんでした。自分を見るのが恐いと、 自分の過ちを認めたくないため、逃げ回っていただけです。これ からは、自分の非は認め、明るく生きていきます。

 まだまだたくさんの我があるけれど、素直に思うがままを話し ていける自分で、自分の人生は自分で引き受け歩いていきます。 力を抜いて、主人の船に乗って、相手の立場に立って、誰のもの でもない私の人生を本気で主人と歩いていきます。

 本当に七日間ありがとうございました。食事もお風呂もおフト ンも部屋も用意してもらい、生かされているだけの自分でした。

【坂村真民詩集】

《 生きることとは 》

生きることとは
愛することだ
妻子を愛し
はらからを愛し
おのれの敵である者をも
愛することだ

生きることとは
生きとし生けるものを
いつくしむことだ
野の鳥にも草木にも
愛の眼をそそぐことだ

生きることとは
人間の美しさを
失わぬことだ
どんなに苦しい目にあっても
あたたかい愛の涙の
持ち主であることだ

ああ
生きることとは
愛のまことを
貫くことだ

【仏語集】

 人々は、この本来そなわっている悟りの仏性にそむいて、煩悩 のちりにとらわれ、ものの善し悪しの姿に心を縛られて、不自由 を嘆いている。(首りょう厳経)

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