まずは御礼申し上げたいと存じます。内観がどんなものである か理解していないくせに、不真面目に取り組んでおります私に対 して、優しく対応して下さった面接者の方々、その他色々と接待 いただきました方々に御礼を申し上げます。

　内観についての本を読み、だいたいの事は理解しているつもり でおりました。しかし、本当のところは、現在かかえている問題 の解決の為の特効薬か何かを処方していただけるのではないかと おろかにも期待しておりました。恥ずかしいかぎりです。

　今までにもその方面の本や話には触れる機会があり、「自分」 というものがキーであることは薄々分かっているつもりでおりま したが、内観を受けて、やっぱり自分だ、諸悪の根源が自分にあ ると再確認させて頂きました。

　まず母について内観をし、母に対する私が何と心ない対応をし ていたことか、訳がわからない母は、ただオロオロするばかりで あったかと思います。

　母なりに良かれと思って言ったり、したりしていることが、こ とごとく私に否定され、さぞ悲しかったであろうと思います。 　幸いにも母は存命ですので、これからは急にやさしくという訳 にも参りませんが、悲しませる事のないように努めて参りたいと 思います。

　父は５年前に他界しましたが、もう少し優しく接することが出 来なかったかと悔やまれます。

　幼い頃から、ただ遠くから見守ることしかできなかった父に対 して、父の気持ちを思いやることが出来ませんでした。せめて、 死に際に「ありがとう」の一言が言えたのは幸いでした。せめて 墓参りには思いを込めたいと存じます。

　別れた夫、子供の父親に対しては、勝手に子育てを放棄してけ しからんとばかりに、腹を立てておりました。しかし、子供を授 けてもらった事は、最大のわたしへのプレゼントでした。

　そして、養育費も殆ど怠りなく送金してくれていますことに大 変感謝したいと存じます。

　子供の成長の過程は、私にとってとても大切な宝物です。それ を一緒に経験させてやれなかったことは、大変申し訳ないと思い ます。

　もし機会があれば、彼も是非内観を受けて、少しでも自分を取 り戻して欲しいと願うばかりです。

　最後に息子に対しての内観ですが、子供は百パーセント親の都 合でこの世に生まれてきておりますのに、私の本当の愛情が足り なかったことは大変申し訳なく思います。

　もっと誉めて育てる事をしていれば、また、本人が嫌がること に心を向けておれば、現在のような問題は起きなかったことと思 います。

　本当に至らない母親でした。今後は大らかな気持ちで見守る事 に心を尽くして参りたいと思います。

　この一週間お世話になり、内観をさせて頂き、解ったことは、 周りへの深い感謝と、全ての答えは自分にある、という事でした。

　しかし、まだ本当の内観、深い内観は経験しておりません。最 初の方でお話して下さった般若心経についてのご説明のように、 何ものにもとらわれない心、とらわれないという事にもとらわれ ない自然体の心境をいつの日か感じてみたいものです。

　この一週間本当にお世話になりました。このお寺という環境も 素晴らしいものでした。また、機会がありましたら、どうぞよろ しくお願い致します。