私は、はっきり言って、なかば半強制的に内観に連れて来られ ました。
5月の初めに会社をやめ、精神的にふさぎこんでいた私に、父 が蓮華院誕生寺の奥の院という所で一週間修行してきなさいと言 われました。
特に断る理由もなく、ハイと返事をしました。ですが、予約を し、奥の院に行く日が近づいてくると不安になり、できれば行き たくないと思っていました。
ついに私は母と姉と一緒に奥の院に車でやって来ました。寺務 所で案内され、母と姉と別れると急に不安がこみあげてきました。
内観の説明を受け、自分の部屋へ行き、言われたように屏風の 中に座り、自分が生まれてから小学校に入学する前までの時で母 にしてもらったこと、して返したこと、迷惑をかけたことを考え ていましたが、はっきり言って、こんな事をして何の意味がある んだろうと思っていました。母のことを考えていても早く家に帰りたいなどと思うばかりで した。
そんな雑念ばかりでしたが、母にしてもらったことを考えると、 私は幼い頃からよくけがをしていて、右の眉の所を一人走り回っ ていて、転んでラジオの角にぶつけ何針かぬったり、ストーブで おしりにやけどをしたり、ころんで左腕の骨を折ってしまったり して、世話をしてもらいました。
ただでさえやんちゃで手のかかる時期なのに、いつも看病して もらい、5才位の頃に喘息になり、それ以来ずっと病院にかかり っきりで、考えてみると、してもらったこと、迷惑かけたことは 一杯あるのに、して返したことは少ししかなかったことに気づき ました。
父に対してもそうでした。男兄弟のいない私と、昔から仕事が 休みの日は遊んでくれたり、家族でどこかに連れて行ってくれた り、今大好きな野球を最初に教えてくれたのも父でした。なのに、 して返したことが二つ三つしか出てきませんでした。
母と父に対しての内観が二度目になると涙が出てきました。そ してこれが感謝の念なんだと気がつきました。
今まで感謝してきたつもりでありがとうと言ってましたが、形 だけで心から感謝してなかったことに気がつきました。
二人の姉や妹のことも内観して、いろんな事に気がつきました。 それと同時にもうしわけないと思いました。すぐにでも家に帰っ てあやまって、そして、ありがとうと言いたくなりました。
今度、家族をどこかレストランにでも連れて行き、ご飯でもお ごろうかと思っています。
また、今回内観の修行をさせていただき、自分を変えようと思 いました。
今まで少し引きこもりぎみで、頭で考えすぎて行動できなかっ た自分が嫌になりました。あと、今まで私がどれだけ親に甘えて いたか、わかりました。
自分で生きてきたのだと思っていた自分がはずかしくなりまし た。
内観というものに出会えて本当によかったと思っています。今 回気づいたことを忘れずに、日常内観でもっといろんなことを深 めていきたいです。
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