今回、集中内観を体験させていただいて、正直はじめてのこと で戸惑うことも多かったのですが、自分というものが、いかなる 者であったかということを確認する貴重な体験であったと感じて います。
最初の3日間は、理屈で分かっているような感じで内観に取り 組み、あまり集中することができませんでした。
お世話になったことに対して、自分にとって重要であった事柄 ばかりに気を取られて、母が毎日して下さった炊事、洗濯、食事 といった自分自身が生きていく上で必要な身の回りの世話等に全 く気付かないでいました。
3日目あたりの父についての内観時に、養育費として大学を卒 業するまでにいくらかかったかを計算している時に、ハッと気付 きました。毎日食事、洗濯、掃除等をしてもらった母の姿を思い出すこと ができたのです。
それからはどんな小さなことでも具体的にして下さった事柄を 思い出すように心がけました。すると思いがけないことが起りました。2度目の母の内観時の ことです。高校時代の内観をしていて、父が倒れた時のことを調 べていました。
父が脳血栓で倒れ、いつも不安でいっぱいだった母を、自分が 何とかしないといけないという思いで、いつも励まし、勇気づけ てきました。そのことが母にとって本当に支えになっていたと思 い込んでいました。
ところが、よくよく考えると、その時の自分が病気である父を 救えるわけでもなく、働いて家族の面倒をみきれるわけでもなく、 何の根拠もなく、ただ励ましていただけにすぎなかったことに気 付かされました。単に自分本位の思い込みで、母の支えになって いると信じていたのです。
この時、すべてにおいて自分本位、自分優先の考え方をしてき たんだなと痛感しました。
また、父の内観時にだした自分の養育費等を確認して、あらた めてその額に驚かされました。これだけの金銭をかせぐことが、 今の自分にできるだろうか? また、素直に自分の子供の為に支 払うことができるのだろうかと。
そして、今まで父や母がその金額について一言も自分に対して 言うことがなかった事実に、改めて自分自身はどうであったんだ ろうか、その愛情に応えてきたんだろうかという気持ちで一杯に なりました。
また、弟の内観を通して、自分が今までしてもらったこと、影 響を与えてもらったことが、これほど沢山あったんだということ に気付かされました。
自分が大学をやめると言い出したことが、後に弟が高校をやめ たいと言い出すきっかけを与えていたり、自分の気付かない所で、 自分の身勝手さが家族にほんとうに迷惑をかけていたんだと。
内観を通して、自分が今まで成長させて頂いた過程で、家族の サポート、また親友のサポート、また会社の上司等、あげればき りがありません。
それらすべての人々の支えが今の自分を作ってくれているとい う事実を改めて確認し、それらの思いを今後少しでも何らかの形 で恩返しできるように、これからの人生を歩んでいきたいと思い ます。
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