1998年12月10日第51号
幸福ニュース

【 処世の秘訣 】

今回は本田静六先生の{わが処世の秘訣}(三笠書房、実業之日本社)よりおおくりいたします。

本田博士は蓄財の巧者、処世の達人として、一世を風靡した偉人です。
慶応二年、埼玉県三箇村河原井に生まれ、11才で父を失い、百姓や米つきをしながら苦学しました。19才で東京山林学校(東京大学農学部の前身)に入学、第一期試験に落第して悲観、古井戸に身を投じたが死にきれず、思い直して決死的勉強の結果、最優等で銀時計を授与された。これで{何事も努力次第で成功する}という自信を得、{働学併進}を趣味とする人生観を得る。

25才で日本とドイツの両大学を卒業、東京帝大助教授となる。その時、生涯の人生計画を{四十までは勤倹貯蓄、生活安定の基礎を築き、六十までは専心究学、七十まではお礼奉公、七十からは晴耕雨読の楽居}と定め、毎日一頁以上の文章執筆と、月給の四分の一天引貯金を始めた。

四十才で貯金の利子が本俸以上となり、宿願{万巻の書を読み、万里の道を行く}を実行、海外渡航19回、世界の各地を巡り370冊余の著書をあらわした。教職の余暇に各省庁や企業の顧問も行い、多くの計画・事業にもたずさわった。

六十才以降は、財産のほとんどすべてを社会事業に喜捨、再び働学併進の簡素生活に環る。七十才までに宗教、哲学、歴史、経済、法制等の書籍を読みふけり、より広範な知識と人生観を体得、昭和27年85才で没するまで、講演、著述などで活躍した、たぐいまれなる人です。

成功の近道(当たり前を実行する)

1.常に心を快活に持す(健康の基)
2.専心その業に励む(仕事成功の基)
3.功は人に譲り責は自ら負う(人に長たる道)
4.善を称し悪を問わず(社交の秘訣)
5.本業に妨げなき好機はいやしくも逸せず(積極的活動)

6.常に収入の4分の1を貯蓄する(致富の基)
7.人事を尽くして時節を待つ(安心の法)
8.嫉視の敵に注意せよ
9.働学併進を楽しめ
10.希望と自信をいだけ
11.恩をわすれるな
12.名利を慎め

本田博士の22ヶ条

1.既往は咎めず成事は説かず
2.三度言って聞かざればすなわちやむ
3.三度辞してしたがわざるは礼に非ず
4.人の請に先だって講釈せざること
5.自分の欲するところ、好むところはこれを人にも施す

6.人を叱る場合にはまずその人の長所をあげて一点ずつ注意する
7.言語を慎む
8.会議にはまず人の説を聞いて最後に自説を述べる
9.新たに依頼された事件は即答せずに熟考の上返答する
10.一度ひきうけた用事はいかなる些細なことでも、できるだけ親切確実にする

11.自分に与えられた報酬の幾分かを関係者に分配する
12.社会に対し、とくに同僚知己に悪感情を与えるような挙動を慎む
13.己れひとりよい子にならんとするなかれ
14.いっさいの投機は禁ずるも、すでに貯蓄された剰余の資金を投資するには決して機会を失わない
15.過去を忘れるはおごりに長ずるゆえんである

16.思い付いたことは即時に行う
17.自省自匡
18.慢は損を招き、謙は益を受く
19.建設的批判
20.信仰上の宣伝または社会事業は本業の余徳でする
21.独立自彊
22.真を求め、善を行い、美を味わう

師長としての心得

1.人の長所をとって活用すること
2.部下の評価をすること
3.約束を忘れぬこと
4.熱意ある指導
5.部下の世話は衷心からなすこと
6.部下の性格と配列
7.公私の別
8.部下に特色を発揮せしむること
9.仕事は部下にさせ責任は上長が負うこと

{人生の最大幸福は、その職業の道楽化にある。富、名誉、美衣、美食も、職業道楽の愉快さには遠く及ばない。}
{職業を道楽化する方法はただ一つ、努力に存する。}
{金は職業道楽のかすである。}

【坂村真民詩集】
《闇と苦》

闇があるから
光がある

苦があるから
楽がある

闇を生かせ
苦を生かせ

《まごころ》

天地を貫くのは
まごころ
地球を包むのも
まごころ
世界を平和にするのも
まごころ
救い難い人を救うのも
まごころ

こころは
ころころするが
まがつくと
もう万里一条鉄
びくともしない
どんなことでも
ふしぎによくなる

まごころは
差別を無くし
憎悪を消し
光のように
すべてを照らし
愛に満ち
熱い涙で
抱いてくれる

ああ
宇宙を美しくするのは
まごころ
まことのこころ

【仏語集】

仏の衣を着るとは、柔和であって忍ぶ心を持つことである。仏の座に坐るとは、すべてのものを空と見て、執着を持たないことである。仏の室に入るとは、すべての人に対して大慈悲の心を抱くことである。

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