2002年11月5日第176号
幸福ニュース

【「ありがとうございます」と言えて】
(31才女性の内観感想文)

 「ありがとうございます」と、ここへ来てから何度言ったかわかりません。内観を始めてすぐは、感情ばかりが溢れ出してしまい、とても苦しい思いをしました。それでもそんな私を先生方は、大変温かくまた真剣にご指導下さいました。

 先生方のお陰で、私は、自分自身の心の扉から出てくることができました。苦しい胸が軽くなっていき、自然に感謝で一杯になりました。

 私はこれまで、「ありがたい」とよく納得してから頭を下げようと思っていました。けれども、内観をしていると、「ありがたい」と気付いた瞬間に自分の頭が下がっていることに気が付きました。何度も何度も深く頭が下がって仕方がないのです。

 この自分の姿を見た時、「ああ、これまでの私に足りなかったのは、これなのだ。」と思いました。これまでの私は、本気で物事に感謝したことのない人間だったのです。

 人として当たり前のことも知らず、さぞ周りの皆様には、ご迷惑と不快感を与えてきたことでしょう。それでも皆様は温かく私を許してきてくださったのだと知りました。

 率直に言って、「今までよく生きて来れたなあ」という思いです。苦しいことも辛いことも、もしかしたら、それ自体、仏様だったのかもしれないと思いました。

 内観を受ける前に私は、「内観」というものを色々想像して、「うまくできるかなあ」とか、「一週間も続けられるのかなあ」とかいった不安も正直に言えばありましたが、受けてみて、内観はうまくできなくてもいいのだとわかりました。

 自分のペースで、自分のできる範囲を、自分のできる深さまで、まず整理がつけばいい。「一人で思い悩んでいるよりも絶対何かが得られる、何度でも受ければよい。」と思いました。

 私の内観が良かったのか、悪かったのか、評価をつける人は誰もなく、自分自身ですら、こだわらなくていいのだと思いました。ただただ、先生方の温かいお心と、ご指導のもと、記憶の中にいる自分を、落ち着いた心で静かに観つめていると、不思議なもので、『事実よりも自分の感情だけにこだわり続けてきた自分』が、ふと観えてきました。

 人生はこれからも長く色々なことが待ち受けていると思います。苦しくて辛くて泣き出すことも随分あると思います。だけれども、その時はまた、内観を受けようと思います。

 こんな風に思うと自然になんだか心が落ち着き、この先うれしいことも楽しいこともたくさんあるように思えてきました。本当にありがとうございます。

 また、食事などのお世話も心をこめて下さり、本当にありがとうございます。こんなにお食事がおいしいと思ったこともありませんし、食べて元気がでたこともないと思います。なんだか、みんなに愛され、応援されているような気持になりました。ありがとうございました。

【坂村真民詩集】

《 落葉 》

木の葉が
落ちてゆくように
わたしの煩悩も
落ちてゆけ
わたしは冬の生まれ
裸木の持つ
素にして純なるものを
身につけてゆこう

《 愛の包み 》

嘆きも
悩みも
悲しみも
すっぽり包んでくれる
愛の包みの
大きさ広さ美しさ

【仏語集】

 この世の人々は、人情が薄く、親しみ愛することを知らない。しかも、つまらないことを争いあい、激しい悪と苦しみのなかにあって、それぞれの仕事を勤めて、ようやく、その日を過ごしている。だから、よく思いを重ね、悪を遠ざけ、善を選び、努め行わなければならない。(無量寿経)

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バックナンバー

第175号 生きる喜び

第173号 信なくんば立たず

第171号 極楽のあまり風

第169号 ご先祖様から見た私

第167号 自己とは何か

第174号 きっと芽が出る人の法則

第172号 父母兄

第170号 アル中の夫と私

第168号 自己を自覚する

第166号 どんな壁でも突破できる

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