私は集中内観を体験させて頂いて、父と母への感謝の気持ちと 言うのを、今まで感じたことのないくらい、感じさせて頂きまし た。また、いかに自分が今までの時間をムダに過ごしてきたのか も気付かされました。

　なぜならば、内観前はメールや電話、会話をしたり、好きなも のを好きな時に食べるという生活が当たり前だったのに、それら を一切断ち切った生活に変わって、人の気持ちや自分の罪など、 多くの事を考えられたり、気付かされたりしたからです。

　内観を始めた最初の３日間は眠たさに勝てず、十分に考える事 ができませんでした。自分の中に心のゆるみがあったのだと思い ます。

しかし、何のために内観をしに来たのか、昨年の反省を含めて自 分を見つめ直すべきだと次第に思うようになり、６日目でしたが、 母に対しての内観中、涙を流しました。

　母の悲しみや苦労、私への愛情、私がしてしまったことの罪深 さを初めて気づかされた日となりました。

　母に対して内観して思ったのは、私が生まれてからずっと愛情 深く育てていただいたのに、なぜ高校生、大学生になるにつれて、 母を悲しませ、傷つける生き方を私はしてきたのだろうかという 事です。

　家出中の母の悲しみなど、私が分かる権利などないのですが、 今年の１月に家に帰って、やせた母の姿を見ると、半年間いかに 母を悩ませたか、悲しませ心配かけたかが伝わってきました。

　私は内観をし終えて、母の望む私の生き方というものを行いた い気持ちで一杯です。学校のことはもちろん、その先の将来のこ とについても、互いが納得するまで話し合って決めたいと思いま した。

　また、心配をかける生き方は絶対しないと誓います。もう２度 と母を泣かせず、体を弱らせないようにします。私は母に相談す る事が今まで少なかったように思うので、何でも話し合えるよう になりたいです。

　次、父に対して内観して思ったことは、養育費の計算をしまし た時に、私が今まで生きてこられたのは、父が汗水流して働いた お金をいただいて生活してきたからだということです。１９年間、多額の費用をかけて育てて頂いていたのに、私はそ のありがたさについて考えたことがなかったように思えます。

　小学生の時までは、海や山で遊んでいただき、いろいろな初め ての体験をさせていただきましたし、中学生から高校生までは、 塾に行かせて頂きました。父に対してお世話になったことは数え 切れないほどあるのに、して返したことはあまりなかったように 思えます。それに気付かされた時も、やはり涙を流してしまいま した。

　今まで当たり前のように生活してきたのに、私は父に対して感 謝の気持ちを忘れていました。これからは、ささいな事でもいい から、毎日「ありがとう」と父に言いたいです。

　また、進路を考えるにしても、英語を受験するにしても、費用 を出していただくのは父なので、まず父とも相談して、感謝の気 持ちというのを伝えたいです。

　また、父が夜勤になってから生活リズムも逆になっているので、 休日などは自らすすんで清掃などをして、できるだけ父や母にも 時間を作ってあげたいです。

　今回の内観の始まりの日は、私の誕生日でもありました。その 日から一週間内観を体験させて頂いて本当に良かったと思ってい ますし、良い一年の出発点となったと思います。

　この体験は、母と私の思い出の中で、一生に残る最も良い思い 出になりました。この体験を忘れずに、人の気持ちを思いやれる 人間になって生きていきたいと思います。七日間ありがとうござ いました。