集中内観を終えてみて、来て良かったなぁと思いました。初め は慣れない事だらけで、一日のスケジュールにただ流されている 感じでした。
二日目には、半畳の空間に座るという事に慣れ、少しずつ内観 というか、思い出す作業に集中できるようになりました。
とは言っても、一日中座っている訳で、途中で内観とは全く関 係のない、「今日のお昼は何だろう」とか、「帰る日の夕食の献 立は何にしよう」だとか、考え始めてしまうのです。
最後までこの雑念には悩まされ続けました。また、そんな気が 散る自分をみて、あきやすいのかなぁ、根性なしだなぁと考え始 めて、「あっ、これじゃいかん。内観するために一週間、夫に許 してもらってここに来たのだ、内観に集中せねば。」と、内観三 項目(してもらった事、お返しした事、迷惑かけた事)を調べる ことに戻る、そんな繰り返しでした。
内観の途中、テープを流して下さいました。最初の頃にやくざ の親分の話があったと思います。その頃は、親分さんの改心した 話を聞きながら、「へぇーそんなにすごいものなのかなぁ。どう いう心境なんだろう。私はどこまで体験できるのだろう。」とい う感じでした。
難病の女性のテープもありました。かなり熱心な方で、断食断 水断眠しながらのやり方まで質問をされていました。その話を聞 かせて頂きながら、私にはまだまだ真剣さが足りないのではない かと思いました。
内観も一週間の中頃だったと思いますが、まだまだ、ただ過去 を想いだすだけのような状態でしたので、少しあせり始めました。
その難病の女性のお姉さんも内観され、テープにそのお話があ りました。ちょうど仕事に関する話があり、私も仕事に関して悩 みがありましたので、参考になりました。内観をすることで、仕 事先での悩みが消えたお話でしたが、私も早くその心境になりた いと考えました。
最後に近くなって、日常内観を続けて二十年という方のお話を 聞かせて頂き、ご迷惑をかけてばかりで、そんな人は死んだ方が いいんじゃないかという質問が途中でありました。
自分もそのように考えていたりもしましたので、興味を持って 聞かせて頂きますと、「何でもきらきら輝いて、ありがたくて、 とってもそんな気はおきません。」と言ってらっしゃって、私も 是非内観でそのような体験がしたいと思いました。
しかし、最後の面接を終えた今でもこれは体験できていません。 やはり、まだ内観が浅いのだと思います。
アンケートにも記入致しましたが、一番辛かったのは五日目で、 内観もあと一日と少しでありながら、なかなか進まず、「もう帰 りたい。」と考えましたが、テープの女性の方の「帰りたい」は、 「申し訳なくて帰りたい。」だったなぁ、内観に来て、その心境 を少しも味わうことなく帰るのは口惜しいと思いました。それで 帰らずに、続けることにしました。
やっと、夫に対しての自分を二度目に調べる内観中に、気付か せて頂きました。海外旅行での売店で、お水一本買ってくれない 夫に対して腹を立てていたこと、外交的でいつもは率先して飲み 物なんか買って来てくれるのに、なんでじっとしているの?なん て、自己中心的な自分を思い返した時でした。
夫の側に立ってみると、初めての海外旅行で英語も得意でない 彼に、何と思いやりのない私だったのか。どうしてもっと優しく しなかったのかと後悔しました。
内観最初のお月様の話が思い浮かび、日本では月にウサギ、ヨ ーロッパではカニや婦人、ケニアでは沈む月を見てキリン。物事 は視点を変えることで全く違って見えることがあるという事が、 その時に腑に落ちた様な気がしました。
もしかしたら、今まで赤だと思っていたものも、青かもしれな い、気付くっていうのはこういう事なのかと感じました。それか らは、父の事、友人の事、少しずつ内観が進んでいったように思 います。
父に対して二回目の内観をさせて頂いた時、父が家を出て二・ 三日帰らなくて、捜索願いを出そうかとしていた時の事を思い出 しました。
父の立場になって見たとき、父の仕事場で苦しい立場におかれ、 家庭でも安らげず、どんなに苦しかったことかと思います。そん な安らげない家庭を作っていたのは、私だと気付いた時、申し訳 ない気持ちで一杯になりました。
友人に対して内観させて頂いた時は、友人とのケンカを思い出 しました。今までは、酔っ払って変な夢をみた私が何か言いがか りをつけたんだろうと、何故そんなケンカをしたのか考えもしな かったのですが、内観させて頂き、それは私の心の声だったとい う事に気付かせて頂きました。
他人に対していつもグチや文句をつける、そんな私の汚い心の 現われだったのです。私は友人に対して大変な迷惑をかけてしま って、申し訳なく思いました。
一週間内観させて頂き、両親の愛情、周りの方々の愛情に気付 かせて頂き、幸せな気持ちになりました。と同時に、汚い自分に も気付かせて頂きました。今これに気付かなかったら、これから もずっとひどい私であったろうし、そんな私を知ることができる のも喜びなんだと思えます。
最後に、皆様一週間大変お世話になりました。一層寒くなりま したので、お風邪などひかないよう、体にお気を付け下さい。本 当にありがとうございました。
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