今回は、前回に引き続き、朝日新書の『一日一生』(酒井雄哉 著、朝日新聞出版)を紹介させて頂きます。
千日回峰行を2回成就された酒井雄哉大阿じゃ梨様の書かれた もので、とても平易で読みやすく、明日を生きる力がわいてくる 本です。是非ご一読下さい。
9)どんな目にあったとしても。
どんなにひどい目にあっても、時間がたてば必ず、いろいろな ことがあったなあ、と思える時が来るよ。後になってから意味が 分かることもある。だから、あせることも、自分はだめだと思う 事もないよ。目の前の事をただ、一生懸命やるだけだよ。人生は その時だけじゃないんだって。
10)自分は何の為に生まれてきたのか、何するべきか問い続ける。
何をやるにしても、「何のために、何をもって」と考える。こ れが意外に奥が深くて、何でも通用する。たとえば会社に入った としたら、会社のために仕事をするんじゃなくて、自分の人生と して、こういうふうにやるべきだと考えて、やればいい。
「一隅を照らす」とはそのことなんだよ。「温故知新(故きを 温ねて新らしきを知る)」もこれからどう生きるかというのが本 当の意味だからね。
11)その答えを一生考え続けなさい。
自分なりに腑に落ちると、人はついそこで考えるのをやめにし ちゃう。でも、答えが分からないといつまでも考えるだろう。肝 心なのは答えを得る事じゃなく、考え続けることなんだな。
12)歩くことがきっと何かを教えてくれる。
結局、人は自分の歩き方でしか歩けないんだよな。心がおっつ かないから迷ったり、生きるのがしんどくなる。そういう時には もういっぺん振り出しに戻ったり、本来の姿を振り返る必要があ るんじゃないかと思う。
それには歩くことなんじゃないかな。何かを置き忘れているよ うな気がしたら、少しずつでいいから歩いてみるといい。あるく ことがきっと何かを教えてくれるよ。
13)知りたいと思ったら実践すること。
回峰行などでひたすら歩くのは、歩きながら座禅しているのと 同じ。「歩行禅」といわれるものだ。歩く中で何かを思いついた り、智慧が生まれたりする。
学ぶのと智慧を出すのを、繰り返し繰り返し、だんだんだんだ んとね、重ねていく。自分の出来ることを実践していくというこ となんだな。
自分自身が感じて味わって初めて本当の意味で「知る」ことが できる。人生は自分の力で知っていくしかないんじゃないかと思 うんだよ。
14)息を吸って、吐く。呼吸の大切さ。
「常行三昧」という90日間寝ずにお堂の中を念仏を唱えなが ら歩き回る行をした。2日目で体が動かなくなった。
昔、師匠に聞いた話を思い出して、呼吸を体の動きに合わせて 行うようにしたら、体がスムーズに動くようになり、心が落ち着 いてきた。
そして、自分の心の中に仏様がいるような気持ちにさえなった。 それが呼吸の大きな力を知った瞬間だった。仏さんはいつも心の 中にいる。自分の心の中に仏さんを見て、歩いていくことなんだ な。
15)心のありようはいろいろなものに作用される。
立ったまま眠る「常行三昧」の後、90日ぶりに畳の上に寝た が、目覚めた時天井が壁に見えて困った。習慣っていうのはそれ くらい人の感覚を狂わせてしまうんだな。たった90日であって もだ。
人間のものの見方やありようっていうのは、いろんなものでど うにでも左右されちゃうということを学んだんだ。
だから、自分から見て、どんなに正しいと思えることでも、も しかしたらいろいろな事にとらわれてそう見えているのかもしれ ない。自分がどんな立場でそれを見ているのかということをいつ も確かめないといけないんだな。
16)本当は同じものを見ているのかもしれない。
争いになった時は、とかく相手を負かそうと躍起になったり、 自分は絶対に正しいという事を主張しがちだけれど、どうして意 見がちがうんだろうと考えたり、じゃあ何か「根本的な原点」は ないだろうかと探してみる姿勢が大事なんじゃないかな。
どうしても右と左の折り合いがつかないなら、真ん中、「中庸」 を探るのもいいだろう。ものごとを一つだけ見て、パパパパパッ と見てやっちゃいけないっていうことだよ。ゆっくりと構えてな。
17)命あるものはみな繋がっている。
生きとし生けるものの命はみな繋がっている。そう思うと死は 恐ろしいもの、寂しいものではない。一日でも長く生きて、良い 結果を残していけば、来世に繋がっていく。そう思うと、毎日に はりが出て、楽しくなる。
せっかく命があるのだから、日々、この地球のさまざまの命の ことを思いながら、少しでも良いことをして生きていきたいもの だね。大事なのは「いま」、そして「これから]なんだ。いつだ って「いま」何をしてるか、「これから」何をするかが大切なん だよ。
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