1999年2月1日第56号
幸福ニュース

【 ギャンブル(ある内観者の手記)】

まず、ここ(蓮華院誕生寺の奥之院)に来るまえまで、自分自身、内観というものはまったく知らず、初日を迎え、どうすればよいのか、全くわかりませんでした。

2、3日していくうちに、今まで自分がしてきた大きな失敗に対して、つくずく思い知らされました。

今までの30年間、時に流され続けてきた自分がおり、目標もない、感謝するという気持ちもない自分自身に恥ずかしいかぎりです。

私はこれまで、自分勝手に人生を過ごしすぎていたことを反省し、これからの人生を、より楽しく、感謝の気持ちをもちながら、残りの人生を過ごして生きたいと思います。

ギャンブルに明け暮れていた時は、人に対し平気でウソはつき、相手の気持ちなどまったく考えようともしていなかった自分がおりました。

約500万円も親にサラ金の借金の返済をしてもらいました。親は、{御先祖さまに申し訳ないが、お前が立ち直るなら、許してくださるだろう。}ということで、畑を売って払ってくれました。

今、親・兄弟・親戚・友人・彼女に対して、まったく申し訳ないことをしてきた自分に恥ずかしさを感じております。

内観というものを体験してみて、この1週間、色々な事を考えさせられました。社長に対し、この期間を与えてくださったことに深く感謝します。この体験により、これからの人生の中で、日々の生活の上で、私は大きく変わってゆくと思います。

私にとって今日からが再出発の日だと思い、子供のような素直な気持ちを常に持ち続け、感謝することも忘れず、日一日を平和に暮らしていこうと考えております。

あとは、自分のたてた人生目標に向けて、日々努力し、一日でも早く達成できるよう、自分に厳しく、今までの失敗を取り返す気持ちで、日々生活していくつもりです。

最後に、もう二度と同じあやまちは起こさないと、ここにいる先生方に、親に、兄弟に誓いたいと思います。

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【内観とは、身近な人々、母または母親代わりの人、父または父親代わりの人、配偶者などに対する本当の自分を見つめるために、

@していただいたことAしてさしあげたことB迷惑かけたこと、

について、具体的な事実を過去から現在まで調ベる中で、色々な気付きや発見により、悩みの解決ができ、より良い人生を過ごせるようになる方法です。】

【坂村真民詩集】
《まず第一に》

一月六日満九十歳の誕生日を迎え

まず第一に

眼耳鼻舌身意(げんにびぜっしんい)さま

五臓六腑さま

両手両足さま

九十年の長きにわたり

わたしのため日夜

働き続け下され

ありがとうございましたと

感謝とお礼とを申しあげる

全く天上天下唯身独尊である

これからもよろしく

お願いしますと

父母から頂いた

この体に合掌した

【仏語集】

教えのしかれている世界では、人びとの心が素直になる。これはまことに、あくことのない大悲によって、常に人びとを照らし守るところの仏の心に触れて、汚れた心も清められるからである。

この素直な心は、同時に深い心、道にかなう心、施す心、戒を守る心、忍ぶ心、励む心、静かな心、智慧の心、慈悲の心となり、また方便をめぐらして、人びとに道を得させる心ともなるから、ここに仏の国が、立派にうち建てられる。

(中陰経)(The Teaching of Buddha)

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