{叶力(かのうりょく)}とは、一人ひとりの命のなかに宿され、生き、はたらき、すべてを成就させる力、その命の源を言う。生まれたままの、人生をまっとうしうる、生かされている命、他を生かしめる命、生涯を成し遂げる力、それが{叶力}です。生きとし生ける者は、生きる力をいただいてこの世に命をあずかった、その大いなる本来の力に気づき、感謝して自他ともにどう生きるかが大事です。 {人間に与えられている四つの命}
1.天命
2.地命
3.運命
4.使命
{五つの自戒} 自分の都合を捨てることさえできれば、道は必ず開けていくものなのです。 自己点検で大事な事は問題は他人にあるのではなく、自分にあるのだということを、どれだけ気づけるかという点にあるのではないでしょうか。 隣組をつくりなさい。自分とタイプのあわない人、発想の違う人と、何人とでもお友だちになりなさい。同じようなタイプの人間関係は腐ります。いやだと思っている人ほど自分を育ててくれ、自分の偏り、行き過ぎに気づかせてくれるのです。 昨日を今日に引きずらないこと、過去の記憶にとらわれないことが大事です。昨日と関係なく、今日あらためて、まっさらな気持ちでその人を見ましょう。 納得のいかない苦しみが人を育てる。 人間の苦しみの原因の一つは、人との比較にある。 体の障害はあっても、心の障害者にはなるな。障害はその人間の個性である。体の障害はありのままに素直に受け止め、世の中のために笑顔ひとつでも人にさしあげることができるならば、そのままで立派な生き方なのです。一日十人の人に笑顔をさしあげるだけで、運命は変わっていくのです。 誰もみていないんじゃない。見ていなくても、見ていないところで何ができるかということが人格をつくる。苦しいかもしれないが、見ていないところで自分を鍛えること、自分を磨くことが大事なのです。 神様や仏様はいろいろなかたちを通して人間を育ててくださっている。けっして自分に都合のいいことだけでは人間は育たないということ。もう一つは、納得のいかないことにも、人の見ていないところで真剣に取り組んでいけば、それが自分の人格を磨いていくのです。 自分がした苦労などわずかなことであって、自分が苦労したら、その分だけ、あるいはそれ以上に人の苦労が見えてこなければなりません。苦労は与えるものではなく、いただくもの。多くの人々の苦労をいただき、自分の苦労とする時、その苦労は必ずや実っていくものなのです。 {一燈園の下座行四つの教え}(トイレ清掃行)
1.裸になれ。(肩書きを取り外し、裸の自分になったときに何ができるか。) 悲しさや寂しさは自分で乗り越えるしかない。慰めてくれる人はあっても、悲しさや寂しさから自分を救ってくれる人は自分以外にありません。同じような悲しい立場にある人々のお世話をすることによって自分の悲しみを乗り越えた方もおられます。 商売というのは、人に喜んでいただくこと、お客様の必要にこたえ、お役に立って信用を積み重ねていくことなのです。ですから、何をおいてもお店にきてくださるお客様との縁をこころから大切にすること。信用は刻々の信用であることをお客様から教えていただいた。商売人は自分の欲を離れ、お店にきてくださったお客さんとの縁を大切にすること。その縁さえ大切にしていれば必ず縁は縁を呼び、道は開けていくものです。
{最大の仕事より最良の仕事を} 成功は自らのうちに必ず下り坂の要素をもっているということも忘れてはならないでしょう。人生には上り坂もあれば下り坂もあります。成功もあれば不成功もあります。したがって、その時々の成功や不成功にとらわれることなく、どんな時にも常に最善をつくして生きることこそが重要になってくるのです。決しておごらず、謙虚に努力を続け、最後まで最善をつくして生きましょう。 行き詰まりは、結局、自分の考えだけにとらわれた私たちのこころの偏りから生じます。とはいえ、長い人生の間には、誰でも行き詰まるときがあります。そのとき、その原因を他者に求めている間は、私たちはそこから抜け出すことは決してできないでしょう。逆に原因を他者にではなく、自分のなかに見るとき、行き詰まりは自分が生まれ変わる大きなチャンスになりえます。人生は一度しかありませんが、自分の内面の欠点に気づき、それを克服する勇気さえもてれば、私たちは、いつからでも人生をやり直すことができるのです。 正しいことにさえ、こだわりすぎるな。正しいこともひとつの偏りである。
人生はつねに今から始まる。{本日、ただいま誕生} 仕事も人生も他につくすことによって許されるのであって、自分だけの幸福や自分だけの儲けを考えてはうまくいきません。儲けることではなくお役にたつこと、大きくなることではなく信じられることが大事です。自分を捨てること、お客様の必要にこたえることから運命の奇蹟が始まるのです。
遅れてもいい 競争は完全には避けられないにしても、そのなかで、やさしく助け合う、思いやりのこころを育てる教育が必要なのではないでしょうか。 神様は、いま世の中に一番欠けている、人に対する思いやりや、命の尊さを思う心や、愛というものを教えるために、このダウン症のこころのきれいな子を授けてくださったのだと思います。 愛とか思いやりとかは、その人と同じ目の高さに立つことです。 大切な事は自己愛を捨てることである。
石川洋(いしかわよう)先生のご経歴 昭和五年、栃木県生まれ。十七歳のとき一燈園創始者・西田天香師に出会い、入園を決意、同人として無所有の奉仕者となる。かたわら{仏桑花の会}事務局長、順教尼遺弟会{この花会}相談役、{ありがとう・愛の会}会長、{ユニテの会}などを提唱する。平成十年一燈園を離れ、市井の托鉢者として再出発する。 なお、PHPゼミナールのほか、企業・団体などの講師として多数のファンを持ち、受講生に{人としての生きざま}を問いかけ感動を呼ぶ。海外ではカンボジアなどで幾多の危険な場面に直面しながら難民救済にあたっている。 著書に{一燈園法話 人生逃げ場なし}(PHP研究所)、{逃げたらあかん}(ぱるす出版)、{冷たい雪も温かい}(タナベ経営)、{感謝にまさる能力なし}(大和出版)、{今から始まる}(柏樹社)などがある。
全ては{感謝}から始まる。私達は生まれつき、{百万長者}だという事に気づいた時、新しい人生が始まるのです。太陽、空気、水、大地、それらの恵みを生まれながらにして授かりながら我々は生まれているのです。我々は、本来、石一つ作れません。あなたの身の回りにあるものすべてが、それらのものの恵みなのです。今あなたが燃やして暖をとっているストーブの灯油も、何億年か前の太陽エネルギーが変化したものです。私達は生まれつき{億万長者}なのです。{生きている自分}ではなく、{生かされている自分}に心の奥底で深く気づいた時、全てが新しく始まるのです。 {親が子のためにするように、自分を捨て、他のために生きなさい。すると運命は好転しますよ。}と石川先生は説いておられます。{捨身}は仏教の布施の極致です。また、これは真言宗で言う{大欲}すなわち他のため社会のためになるような大きな欲望をもちなさいというところと通ずるような気がいたします。ただ、我々凡夫にとっては、自分を捨てることは至難の業かと考えます。できる範囲で、一部だけでも自分を譲り、他のために行うことを心がければよろしいのではないでしょうか。スタートはそこからでもいいのではないかと思います。 それから、問題の原因を他人に求めずに自分の中に見つけ、それを克服する努力をすることの大切さをおっしゃられています。自己責任ということです。他人にあれこれと言うより、自分の向上に力をそそぎなさい。まず、自分が変わりなさい。そうすれば問題は解決しますよということで、お互いに気をつけたいものです。 商売人に対しては、お客様を大事にしなさい。お客様のお役に立ちなさい。信用を大切にしなさいということを強調されておられます。目先の利益ではなく長い目で、また、人間として大事な事は何かと言う事を考えて商いをしなさいと言う事で、アメリカ流の株主の利益だけ考える経営とは全く別個のものです。 現代の日本人は、{仏様や神様から見られている}という意識が希薄なのではないでしょうか? {わからなければ、何をやってもいい。まず、目先と自分の利益だけ考えよう。}という風潮が、政治家から子供達までまん延しているように思えてなりません。{いま死んだら、極楽へいくか地獄へいくか、自分に問え}という仏教的設問があります。我々日本人は今こそ、あの世まで含んだ長期的観点にたち、自分自身と日本の未来を 深く考える必要があるのではないでしょうか。 |
捨てて捨てて
捨てて捨てて
他のためにつくす
かつてない狂乱の時代に生まれきて |
{三輪清浄} 布施と持戒とは、城を作る礎のように、修行の基となり、忍辱と精進とは城壁のように外難を防ぎ、禅定と智慧とは、身を守って生死を逃れる武器であり、それは甲冑に身をかためて敵に臨むようなものである。 乞う者を見て与えるのは施しであるが、最上の施しとはいえない。心を開いて、自ら進んで他人に施すのが最上の施しである。また、ときどき施すのも最上の施しではない。常に施すのが最上の施しである。 施した後で悔いたり、施して誇りがましく思うのは、最上の施しではない。施して喜び、施した自分と、施しを受けた人と、施した物と、この三つをともに忘れるのが最上の施しである。正しい施しは、その報いを願わず、清らかな慈悲の心をもって、他人も自分も、ともにさとりに入るように願うものでなけれぱならない。 (大般涅槃経)(The Teaching of Buddha) |
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