2002年12月18日第181号
幸福ニュース

【夫と息子に対する内観(45才女性)】

 今回、内観を始めたのは、息子の仕事先でのトラブルで、お寺で特別指導(蓮華院のご住職に面談し、直接指導を受けること)を受けたことがきっかけでした。その時、自分自身を知るには内観が一番と知り、私自身も主人との仲がうまくいかず悩んでいたこともあり、すぐ申込みました。

 夕方5時までに奥之院に入り、早速一人部屋で内観が始まりました。最初、母に対する自分を調べることから始めましたが、息子のこと、主人のことで、頭の中はパニックを起こしているような状態で、集中して母の事を調べられませんでした。これは息子や主人に対しても同じことでした。

 母のことは二度くらい繰り返した時、母の私に対してやってくれてる事は、すべて当たり前と思っていたことが、それはこの世で一番深い愛だと思うようになりました。これに対して私は何も返してません。

 この世に生を受けて、この年まで迷惑ばかりかけ、心配させてきました。気付くのが遅かったと思いますが、これを機に一生懸命これからお返ししていきたいと思います。

 主人のことでは、三、四度やっても気持がイライラして内観どころではありません。体も疲れてきます。お世話になったことを調べても、私の方が100パーセント世話しているという思いが頭から離れず、調べたくても頭に浮かんできません。

 ところが、主人に対する内観の五度目頃から少しずつ、毎日ご飯がキチンと食べられ、暖かい所に住み、何の不自由もなく生活してきてるのに、何が主人に対して不満だったのかと調べていく内に、私自身におごりがあり、そのおごりで私は主人を不満に思っていることに気付きました。気付いた時は涙がでて、体が楽になりました。

 これまでに幾たびと主人からの信号は出てたようですが、私は自分の事はよくわかってると思ってましたので、この後二、三度主人に対する内観をすればするほど、申し訳なかったと気付きました。

 主人についての内観で自分がわかってきたら、息子の事で相談に来て内観を始めたのに、やはり、私のおごりと見栄で、息子までも追い詰めていたことに気付きました。息子のことで、内観を進めていくと、この半年間で息子も私に色々な信号を出してくれていたのに、私は全然気付きませんでした。うまくいかなかったら離婚も覚悟していたのですが、私は今回内観に出会えたことで、家庭が破滅せずにすんだと思います。

 自分のことは自分が一番知っているからと言う人ほど、自分を知っていないのだと思いました。これからも何度となくつまづくと思いますが、内観で自分を知ったことを思い出し、感謝して生活していきたいと思います。

 これから現実に帰っても、内観で自分を知ったことを持続する事が大切だと言われます。努力して、新しい目標に向かって行きたいと思います。有難うございました。(終)

【坂村真民詩集】

《 愛の包み 》

嘆きも

悩みも

悲しみも

すっぽり包んでくれる

愛の包みの

大きさ広さ美しさ

【仏語集】

 愚かな人とは、自分に示された他人の親切に感謝できない人である。一方、賢い人とは、常に感謝の気持を持ち、直接自分に親切にしてくれた人だけではなく、すべての人に対して思いやりを持つことによって、感謝の気持を表そうとする人である。(パーリ、増支部)

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