自分は先生に勧められこの集中内観の研修を受けた。初日は幼稚園時代の母に対する自分を調べていた。初め、なかなか、(1)してもらった事、(2)して返した事、(3)心配・迷惑をかけた事が、あまり出てこなかった。夜寝るまで調べていたが、あまり出てこないままその日は終わった。
そして二日目の朝、この日の朝食は外国の貧しい人達に食事を寄付するという事で一食抜きだった。この時はかなり苦痛やった。けれど、昼食を食べていて、食事のありがたみというものに初めて気付かされた気がする。内観の方はというと、小学一年から六年までの母に対して、3つの事を調べていた。二日目ということで徐々に調べが進んでいった。
三日目に入るとこの生活にも慣れ、調べが深まった。この日は、中学校へ入ってから現在までの母に対する自分を調べていた。この頃は、迷惑や心配ばかりかけていて、調べていてつくづく思った。学校で問題を起こすたびに、呼び出しをくらった母の気持ちというのは、その時あまり気にもとめていなかったが、内観をしていて少し分かった気がする。本当にすまない事をしたなあて思う。
それと、幼稚園の父についても調べた。この頃は、ディズニーランドや海、水族館など、色々な所に連れていってもらったんだと、その頃の思い出にひたっていた。
四日目は、小学校一年から現在までの父に対しての自分を調べていた。やはり、母同様で、中学校へ通っていた頃は、迷惑や心配ばかりかけていた。それに父と喧嘩になった時にケガをさせてしまった事があった。
それでこの日は先生に助言をいただき、紙に今までかかったおよその養育費を書いてみた。書き終えてみると、すごい金額になっていた。自分をここまで育てるのに一千万という大金がかかっていたことにかなり驚いた。迷惑や心配ばかりかけているのに、ここまでお金をかけてくれた両親に対して本当に申し訳ないという気持ちと、「ありがとう」という気持ちが、この時入り交じっていた。
五日目は、二回目の誕生から小学校六年生までの母に対しての自分を調べていた。この日も先生から助言をいただき、今度は母に今までしてもらった事と、その数について紙に書いてみた。赤ん坊の時から、お乳やおむつ、食事、洗濯、掃除、看病、勉強など、何と全体で約5万回以上色々な事をしてもらっていた。この事を書いていて思ったことは、生まれてから今までこんな多くの事をしていた母の凄さというものが初めて分かった。
六日目は、中学校から現在までの母に対しての自分と誕生から小学校へ上がるまでの父に対しての自分を調べた。どちらとも二回目なので、内容が一回目よりも深く調べれた気がする。
そして、最終日。この日は、小学校入学から、現在までの父に対しての自分を調べていた。この日も含めて内観していて思ったのが、まず、してもらった事と迷惑・心配かけた事はパッと出てくるけど、して返した事というのが、なかなか出てこなかった。このことから今まであまり何もして返していなかったなあと気付かされ、今後は親に色々として返してあげたいと思う。
二つ目は感謝する心を持つという事。これは、親のみならず、周りの人や物、食べ物全ての物に感謝せねばならないという事が、初めて実感として分かった。
最後は、親のいう事をこれからは少しでも聞いていき、素直な気持ちを持って接していきたいと思う。そして家へ帰ったら、父や母に「ありがとう」と言いたい。
子は父母に対して五つのことをする。父母に仕え、家業の手伝いをし、家系を尊重し、遺産を守り、父母の死後はねんごろに供養することである。
親は子に五つのことをする。悪をとどめ、善をすすめ、教育を施し、婚姻をさせ、よい時に家を相続させることである。互いにこの五つを守れば、家庭は平和であり、波風がたたない。(六方礼経)
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